東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 講演会一覧設立趣意書会則
東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 The Society of Urological Disease at Tokyo Women's Medical University
■ 2023年度年報
ホーム1.はじめに2.医局構成・新入局員紹介3.東京女子医科大学腎センター泌尿器科および関連病院入院・外来・手術統計4.東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2024年度の目標5.関連および協力施設 活動報告・2024年度の目標6.業績目録7.あとがき

1. はじめに

巻頭言

例年より暖かい冬を感じておりますが、正月早々より能登半島での地震や羽田空港での航空機事故など、痛ましい出来事が続いております。被害に遭われた方々には心からお見舞い申し上げます。後者の事故においては、原因については考察中と思われますが、発生後の対応については、日頃からの訓練と現場の瞬時の判断によって、多くの命が救われたとされております。我々は手術を行う際、起こりうる事態に対して対処法を頭の中で整理した後に手術に臨みます。それでも対処できないことについては、これまでの経験をもとにした咄嗟の判断で処理します。これらに共通することは、日頃の小さな努力と経験の積み重ねが大きな困難を乗り越える力になるということです。日々、自己研鑽し、成長しなければと感じております。

東京女子医科大学泌尿器科におきましては、皆様のご支援のおかげで順調な成長を続けております。臨床面におきましては、沢田先生の帰局にて女性泌尿器科手術が軌道に乗り始め、泌尿器領域のロボット支援手術は全てカバーできるようになりました。実際ロボット支援手術件数は約420件(昨年410件)行っており、おそらく国内1位は維持できていると思われます。腎移植については生体、献腎ともに昨年と同様の症例数であり、集中治療室機能が不足している状況の中、スタッフの努力により最高水準の医療を提供しております。腎癌についての総数は、338例と昨年と比較(352例)しやや減少しております。これは、ロボット支援腎摘除術が保険適応になり、多くの施設で腎腫瘍・上部尿路腫瘍に対するロボット支援手術の施設認定を取得し実施できるようになり、固定されていた紹介病院が減少している影響と考えます。腎癌減少分は腎尿管全摘や副腎症例が増加しているためロボット支援手術は増えている状況ですが、我々としては多くの経験に基づいた安全かつ正確な手術を提供することでより多くの患者さんに選んでもらえるよう努力が必要だと考えております。

研究面におきましては、英語論文約30編と昨年も多くの研究成果を発表しております。科研費については、移植は平井先生、腫瘍は福田先生と石原先生を中心に獲得しており約10件の基礎研究が進行中です。女子医大ならではの多くの臨床検体を利用した研究を推進しており、結果も徐々に出始めており非常に楽しみにしているところです。これらの研究は、科研費を獲得してはおりますが資金的には十分とは言えない状況です。腎泌尿器癌研究会からの物心の支援の賜物でさまざまな研究が成り立っている状況です。この場を借りて御礼申し上げます。

さて、今年度は7人の新入局員を迎えました。小針医局長並びに医局員の熱心な勧誘のおかげであります。他大学の泌尿器科と比較し女子医大泌尿器科はやや忙しい?ことから、例年元気な新人が入局いたします。本年も例年に違わず、気力・体力共に充実した先生です。会員の皆様、ご指導の程宜しくお願い申し上げます。

2024年2月1日
高木敏男


[ 前のページへ戻る ] [ ページトップへ戻る ]

Copyright (C) The Society of Urological Disease at TWMU All Rights Reserved.