2021年度は新型コロナウイルス感染の第3波とともに始まりました。増加する患者に対応するため、通常診療に使用できる病床は全304床から120床まで削減されました。その後の8月の第5波到来時には100床にまで削減され、当科の病床も4床となりました(本来は13床)。第5波の際には常時感染者が70~80人前後入院している状態となり、1日の新規入院患者も10人を超える日が続き、内科の先生達が疲弊し始めたために、外科系医師も新型コロナウイルスの診療に参加することになりました。それまでもPCRセンターや都立多摩総合医療センターのコロナ病棟への月に1回程度の出向はありましたが、本格的に感染患者を受け持つことは初めてでした。しかし、幸いにも、この頃には治療方針もある程度確立されており、専門外の私達でも、内科の先生に相談しながら対処できるような状況でした(それでも、当初は感染するかも、という恐怖心がありましたが)。このように昨年度は、一昨年に続いて、新型コロナウイルス感染症の対応に追われた一年でした。
このような中で、生体腎移植は第3波の時期に一時中断しましたが、その後再開し、院内クラスターが発生することもなく、なんとか月に1件のペースで実施継続することができました。
いまだ終息の目途がたたないコロナ禍が続いていますが、でありますが、今年の7月から大久保病院は、現在の公社病院から、都立系、公社系病院の再編に伴い独立法人化され、名称も東京都立大久保病院になります。また、コロナ禍で一時中断していた病院の改修作業も再開されます。この原稿を書いている今、いよいよ第6波がやってきました。コロナ禍での生活、病院での診療にも慣れてはきましたが、それでもやはり、今年こそ、コロナ禍が終息して、人とのコミュニケーションや移動が自由にできる日々が戻り、皆さんとお会いできる日がやってくることを願っています。
今年度もよろしくお願いいたします。
白川浩希
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