東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 設立趣意書会則
東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 The Society of Urological Disease at Tokyo Women's Medical University
■ 2020年度年報
ホーム1.はじめに2.医局構成・新入局員紹介3.東京女子医科大学腎センター泌尿器科および関連病院入院・外来・手術統計4.東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2021年度の目標5.関連および協力施設 活動報告・2021年度の目標6.業績目録7.あとがき

5. 関連および協力施設 活動報告・2021年度の目標 >> 東京女子医科大学東医療センター

2020年度東医療センター泌尿器科活動報告

2017年1月より東医療センター泌尿器科部長を拝命し、ほぼ4年が経過致しました。今年は、新型コロナウイルスの影響で病院としては大きな打撃をうけた年になりました。当院では4月に複数の職員の感染が判明しましたが、職員全員のPCR検査を実施しクラスター発生ではないことを確認し、短期間で通常業務を再開することができました。しかし女子医大法人よりコロナ感染病院のレッテルを貼られ、本院との人事交流禁止など不条理な対策がとられたことについては今でも納得しがたいものであります。その後、パンデミックにあわせた対策として病院として予定手術の制限が取られることとなりました。ただ悪性疾患手術はやはり待つべきものではないと考え、泌尿器科としては進行癌手術は継続する旨を院長等に伝え、手術継続いたしました。当科の月間手術症例数は平均60例となりますが、4月、5月は47件、38件と減らしたものの、6月には65件にもどり、比較的コロナ感染の影響を少なくできたと考えております。その後は外来数、手術数ともに昨年以上の経過で推移し、2020年度の売り上げは2019年度を上回る見込みとなっております。また今年度も大きな事故もなく無事に経過しており、これも土岐医局長、橘助教、山下助教のスタッフと吉野、石山の二人の後期研修医の献身的な努力のおかげであると感謝しております。また今年はつねに2人の後期研修医1年目の先生が当院をまわってきてくれましたが、とくに吉野、石山両先生は上級医の立場から指導も行い彼らの充実した研修に貢献してくれました。

手術件数については当科HPに随時更新するようにしているため最新の件数がわかるようになっております。2020年1月から12月までの件数は、新型コロナの影響で検診が減ったことにより偶発癌症例が減少しましたが、ロボット腎部分切除は当初目標としていた100例を越え、102件となりました。腎癌手術件数では149例となり着実に症例数が増加しております。またロボット膀胱全摘では13例とほぼ同数を維持し、腸管利用尿路変更はすべて体腔内操作で行っておりほぼ手技的にも確立してきました。あとは代用膀胱が少ないため、今後の課題です。ロボット前立腺全摘が減少し23例でしたが、2021年はすでに10例近くが2月までに行なわれる予定です。また1例ではありますが、今年度より保険収載されたロボット腎盂形成術も施行致しました。2019年末のホルミウムレーザーの導入によりTUL件数も増加し57件となりました。また土曜日を利用した経会陰前立腺全摘も確実に増加し147件となり、目標の150例にかなり近づいてきております。年間手術数も805件となり2019年よりもさらに増加させることができ、コロナ禍での病院の収益維持に貢献できたと思います。

またその他の活動としても、転移性腎癌に対する薬物療法患者が多いことから、保険適応取得のための臨床治験が4件現在進行中ですが、転移性腎癌の免疫療法不応症例に対する新しい薬物を使った第1相試験が3月からスタートする予定です。これも依頼企業からの契約症例数をしっかり満たして、それ以上の症例数を登録してきたことで高い信頼を得ている結果と考えております。このほか医師主導型の全国試験もありますが、治験コーディネーターに介入してもらうことで質の高い報告が行えるようになっております。その他研究面においても、東医療センターと本院のデータベースを用いた論文報告が多数出され、英文論文13件となっております。

当院は2021年秋に移転という大きなイベントが控えております。先日正式発表がありましたが、足立区移転後は、「東京女子医科大学附属足立医療センター」に名称がかわります。現在十分な診察室がない中で診療を行わざるを得ない状況が続いておりましたが、移転後は広く、きれいなスペースで診療ができ、また検査、入院などの導線もかなりよくなります。またバス、舎人ライナーなどによる公共交通機関によるアクセスがかなりよくなるため将来的には現在よりもさらに患者数が増加することが見込まれます。ただ移転のための1-2ヶ月ほどは、外来や手術数などもやや制限が必要となると思われますので、2021年度の目標は本年度同じぐらいのが件数が維持できればと考えております。手術としては1)腎癌手術症例数150例、ロボット腎部分切除100例、2)ロボット前立腺全摘50例以上、3)生体腎移植数5例以上、その他昨年と同様10編以上の英文論文発表をしていきたいと考えております。

2021年度には、手術症例数のアピール、メディアや動画などによる市民効果講座の配信を通して、さらに当院及び当科のプレゼンスを上げていけて行きたいと考えております。そのための体力と体重維持のため、週3回の筋肉体操、月200kmランニングはこれからも継続していく予定です。できれば今年は気分転換のサウナにまた安心していけるようになり、水風呂、外気浴でととのうことができるよう期待したいと思います。

近藤恒徳


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