東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 設立趣意書会則
東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 The Society of Urological Disease at Tokyo Women's Medical University
■ 2015年度年報
ホーム1.はじめに2.医局構成・新入局員紹介3.東京女子医科大学腎センター泌尿器科および関連病院入院・外来・手術統計4.東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2016年度の目標5.関連および協力施設 活動報告・2016年度の目標6.業績目録7.あとがき

4. 東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2016年度の目標 >> 女性排尿障害センター

女性排尿障害センター 活動報告及び2016年度の目標

女性排尿障害センターは排尿や性器の症状をもった女性に、女性医師による診療を提供しようと家後理枝先生と小内で2007年に立ち上げました。現在、初診予約は単独では月に数件と多くはなく、女性に限らず神経因性膀胱の診断、治療も併せて行っています。今年度をもって家後先生が退職されます。大きな支えを失ってさびしく、誰か一緒にやってくれないかなと思っていた所、濱崎和代先生が名乗りをあげてくれました。頼もしいですね。2016年4月以降、外来の体制は火曜日午後濱崎、金曜日午前午後小内となります。(2016年2月現在予定)

統計は大人のビデオウロダイナミクス113件/年、手術ではTVTスリング10件(うち1件は腎移植後でRPを併用しました)、膀胱水圧拡張術10件、VURへのデフラックス注入1件、尿道憩室切除術1件、膀胱膣瘻根治術1件、TVT後のテープ切除1件です。

本院でのTVTスリング手術が105例となり、ようやく100例を超えました。2006年12月に巴先生に教えていただき実施して以来、こつこつと積み上げてきました。済生会栗橋、戸田中央病院などでも行っているので、トータルではもう少し数は増えると思います。大きな合併症はなく、深刻な排尿障害も起こしていません。2016年の日本泌尿器科学会でポスター発表の予定ですが、安全性は高く、手技としてもこれだけ残ってくるのはよい手技と考えてよいと思います。術後の患者さんの明るい笑顔、「人生がかわりました」といった言葉は忘れられず、手術で治る尿失禁としてもっと啓発が必要と思います。

間質性膀胱炎に関しては都内に東医療センター始め、ほかに有名な病院がありますが、新規の患者さんはちらほら受診され、症状悪化の患者さんに複数回やることもあり水圧拡張は10件でした。2015年の夏にハンナ型間質性膀胱炎が難病指定となり、小内も指定医をとりましたので、難病の申請用紙を書く機会も増えました。根治的治療法がないことはしょうがないとして、自宅で取り組みやすい食事療法や行動療法のわかりやすいリーフレットのようなものが作れないかと考えています。ストレスはよくないものと考え、避けるようにお話していましたが、先日「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」(ケリー・マクゴニガル著、大和書房)という本をよんで、ストレスはよくないものという考え方がよくない、前向きにとらえることでストレスによる悪い作用を軽減することができると知り、患者さんに話す方法が変わりました。患者さんには日々ストレスを感じておられるかたも多く、とらえ方を変えることが大事とお話するとほっとした顔をされます。

最後に、医局も100名を超える大所帯となってきました。毎年何人かの人が入り、同じように何人かの人が出て行きます。せっかくのご縁ですから、一緒に過ごすことになった方々と仲良く過ごしたいものです。大学病院の腎センター合同医局で泌尿器科専属の秘書さんがいるわけではありませんから、科の行事の運営はすべて各先生方のボランティアでされています。医局旅行に始まり、朝のカンファレンス、勉強会、海外の先生や見学者への対応、納涼会、忘年会など、様々な行事があります。物理的に距離があると少し心も離れてしまうかもしれませんが、機会があれば是非足を運んでいただき、懐かしいメンバーと、後輩と、一緒の時間をすごしてください。医局に何をしてもらうかではなく、自分が医局に何をするか、何ができるかを考える時間を少しもってみてください。医局長を離れてしばらくしての感想でした。

小内友紀子

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