東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 設立趣意書会則
東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 The Society of Urological Disease at Tokyo Women's Medical University
■ 2015年度年報
ホーム1.はじめに2.医局構成・新入局員紹介3.東京女子医科大学腎センター泌尿器科および関連病院入院・外来・手術統計4.東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2016年度の目標5.関連および協力施設 活動報告・2016年度の目標6.業績目録7.あとがき

1. はじめに

巻頭言

2015年は、2度目となる特定機能病院取り消し、がん拠点病院取り消しと病院には激震がはしり、法人は前代未聞の2年連続の補助金カットとまさにどん底ともいえる状況になりました。私は昨年4月に院長代行に指名され、6月からは正式に院長としてこの難局に向かい合うこととなりました。今年1月には、理事長、副理事長が主導する青山病院の閉院に法人理事として参画しました。本年4月には院長として再度指名され今後2年間は本院の立て直しを行うと共に、医療施設担当理事として法人内10の医療施設の管理監督を行うこととなりました。病院はこのように難しい状況でありますが、学校、研究施設の新築と並行して今年度中に既存病棟の耐震化、手術室およびICUの統一と中央化を断行していかなくてはなりません。さらに何とか今年度中の病院収支の黒字化を求められており、風評による患者数の減少などありかなり厳しい状況ですが病院職員の皆さんと一致団結してこの難局を乗り越えようと思っています。

病院はこのような厳しい状況にありますが、泌尿器科診療は大きな伸びを見せています。腎移植は週3件、ロボット支援下腎部分切除手術が週2−4件、ロボット支援下前立腺全摘出術が週2−4件と症例数を増加させている中も待機患者数は増え続けています。患者さんに信頼される高度な医療を安全に行い、好成績を残してきていることが評価されて、このような厳しい状況でも症例を増やすことができているのではないかと思っています。4月以降は青山病院で行っていた内視鏡手術が本院に移ってきたこともあります、毎週25件前後の手術が行われるようになっています。今や、泌尿器科は中央手術室で最も症例の多い診療科となっています。懸案であった後期研修医によるダビンチトレーニングが、昨年から戸田中央病院、常磐病院、本院で開始されており、すでに後期研修医がダビンチ手術の術者としてトレーニングを受け完遂できるまでになっています。このような状況になるであろうことは、2011年のダビンチ導入時に半信半疑ながら予想して周りにも話していたのですが、実際、予想した通りになっているということは本当に驚くばかりです。

また、東医療センターは足立区への移転が決まり、東京都、足立区からこの地域の診療拠点として大変に歓迎されるとともに、非常に大きな役割も期待されております。移転に伴い病床数も増加し、地域のがん診療拠点、災害対応拠点、小児・周産期医療拠点、救命救急診療拠点としての役割が期待されておりこれからの発展に向けて泌尿器科としてもスタッフの大幅な補強が必要となってきています。
八千代医療センターも今年は増床、ユニット系の新設などがあり大きく発展していくものと考えています。八千代市はじめ地域からの八千代医療センターへの期待は非常に大きなものがあり、泌尿器科としても増員などによりスタッフの増強を考えていく時期になっていると思います。

研究面では平井先生、奥見先生が中心となり10名の大学院生がしっかりと研究を進めておりそれらの成果は一流の英文雑誌に多数採用されており非常に嬉しく思っています。免疫トレランスの実験はいよいよ大動物での実験が視野に入りつつあります。また、京大の大学院に2名、北大大学院に1名の大学院生を送り出しており徐々に成果が出てきて帰局後は研究の大きなけん引役になってくれるものと思っています。
昨年のこの欄にも書いたのですが、後期研修の過程に1年前後の研究室配属を義務化する案も昨年は実行されませんでしたが、今年は何とか実現に向けて頑張りたいと思います。研修の過程で一時期きちんとした基礎研究に取り組むことはその後の長い臨床医生活に非常に大きな意味があると確信しており何とか基礎研究室配属を推し進めていきたいと考えています。

また、今年はこれまで泌尿器科で強力に推し進めてきた、残業しない体制を病院全体で強制力を持って推し進めていくことになります。「残業しない、させない、ブラックと言わせない」の標語のもと、泌尿器科でもこれまで以上に6時終了帰宅を目指してチーム一丸となって診療に取り組んでいただきたいと思います。

最後に、病院でこのような厳しい状況が続いている一方で、院長職の傍ら何とか週2回の外来、週3−5件の手術を行うことができているのは泌尿器科のスタッフの先生方はじめ泌尿器科チームの献身的な助力があってのことと感謝しています。

今年も更なる飛躍を期して、医教員の皆さんとともに、革新的、野心的な試みに挑戦していきたいと思っています。皆さんとともに「至誠と愛」の理念のもと、前を向いて笑顔で一緒に進みましょう。 至誠通天!

2016年4月 日泌総会のため仙台へ向かう新幹線の車中で
田邉一成


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