東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 設立趣意書会則
東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 The Society of Urological Disease at Tokyo Women's Medical University
■ 2015年度年報
ホーム1.はじめに2.医局構成・新入局員紹介3.東京女子医科大学腎センター泌尿器科および関連病院入院・外来・手術統計4.東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2016年度の目標5.関連および協力施設 活動報告・2016年度の目標6.業績目録7.あとがき

4. 東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2016年度の目標 >> 前立腺腫瘍センター

前立腺腫瘍センター活動報告

本年度の目標到達度
(1)ロボット前立腺全摘症例数対前年度比15%増 → 未達
(2)前立腺腫瘍領域での論文作成(複数編) → 未達成
(3)新規術者の育成2名以上 → 未ほぼ達成
(4)前立腺癌領域の後継者育成 → 未進行中


今年度も引き続き飯塚が実務責任者として担当しました。臨床面では本院でのロボット支援手術の術者育成を中心に、関連施設(八千代医療センター、戸田中央総合病院、至誠会第二病院、済生会栗橋病院)における腹腔鏡下およびロボット支援前立腺全摘手術の技術支援を継続しました。手術に伺える日数が限定されているため各関連施設の先生にはご迷惑をおかけしています。一連の事故による影響は昨年度こそ急激な治療数の減少には至りませんでしたが、大学での精査を希望する患者さん自体が減少したことにより徐々に生検予定に空きが目立つようになり今年度の治療数減少が顕著になりました。また、当院での手術・治療を決めた方も後日キャンセルされたり手術直前にドタキャンされたりする方が続き年度後期の症例数に影響しました。途中大幅に下方修正が必要となりましたが、その中で総手術件数は69件と前年度比12%減で何とか踏みとどまりました。年初からは手術症例数も回復・増加傾向で待機期間が2ヶ月程となってきた為、一日複数例施行する日を増やして対応しています。また、今年度の新規ロボット術者は3名の育成を行い概ね目標は達成出来たと考えます。放射線治療総数としては強度変調放射線療法38例、小線源永久挿入7例、術後照射12例(adjuvant 4例、salvage 8例)でしたが、放射線腫瘍科の先生方のご尽力により数年ぶりに高線量率組織内照射再開に向けての準備が整いました。また今年度も前立腺癌領域で2つの新規薬第II相試験と一つの第IV相試験に参加しておりTWMUでの前立腺癌診療が認知されてきたことを感じています。

学術面では14th Asian congress of society of transplantation (CAST) において移植患者の前立腺癌に対して施行した小線源治療をまとめた報告で飯塚がBest poster awardを受賞したことを皮切りに、本稿執筆時点で5本の英語論文を投稿中でそのうち3本がacceptされています。また、チャレンジし続けていた米国泌尿器科学会には前立腺腫瘍関連で初めて2演題がacceptされ、神澤先生、羽田先生に発表して頂く予定です。着眼点が優れていれば症例数が限られていても認められる事が改めてわかり自信になりました。残念ながらrejectされた演題も含めて鋭意論文化中です。また、新規にロボット支援手術全症例の動画データベースもほぼ完成し運用中で、後ろ向きに画像を解析して術後尿禁制に影響する手術手技について考察を加える事も可能となりました(第28回日本内視鏡外科学会総会のシンポジウムで田邉教授が発表)。

数年来、表面的な成果には結びつかないデータベース整備や臨床業務での地道なデータ収集を重ねてきた結果がようやく結実しつつあります。こうした成果を出し続ける事が若手の先生達の興味の対象にもつながると考えています。最近では前立腺癌関係での仕事を希望してくれる先生が少しずつ増え始めており、今後より一層の発展が期待されます。いずれの仕事も病棟班・外来班の先生たちやクラークの畑さんの協力なしでは遂行不可能でありこの場を御借りして御礼申し上げます。新年度も臨床に、学術に邁進したいと存じます。引き続きご指導ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます。


【2016年度目標】
(1)前立腺癌関連の英語論文5編
(2)前立腺癌領域の後継者育成(継続)
(3)ロボット支援前立腺全摘100例
(4)後期研修医のロボット手術研修をすすめる
(ちょっとハードルが高いかな・・)

飯塚淳平

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