東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 設立趣意書会則
東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 The Society of Urological Disease at Tokyo Women's Medical University
■ 2015年度年報
ホーム1.はじめに2.医局構成・新入局員紹介3.東京女子医科大学腎センター泌尿器科および関連病院入院・外来・手術統計4.東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2016年度の目標5.関連および協力施設 活動報告・2016年度の目標6.業績目録7.あとがき

4. 東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2016年度の目標 >> TUR-P、minimal invasive surgery部門

TUR-P、minimal invasive surgery部門

Minimal invasive surgery に関しては、ロボット補助下の前立腺摘除術、腎部分切除術、および腹腔鏡下ドナー腎摘除術も含まれるが、これらの項目については腫瘍班、および移植班の報告を参照されたい。

TUR-P、TUR-BTに関しては、2011年より青山病院を中心に施行していた。

2015年のTUR-BTは94件、TUR-Pは15件、経尿道的尿道切開術は8件だった。2016年1月をもって青山病院が閉院するに伴い、2015年12月より本院での施行となっている。TUR-BTに関しては年間130件に達している。一時enblok切除も施行したが、後期研修1年目の研修医がローテートする施設としてはTURを身につけてもらいことが大事と考え現在はBipolar TURが主体である。切除としては、腫瘍の存在部位を領域として捉え、複数の腫瘍が近接する部位は領域として全体を切除することを心がけている。また、Tappingがショートストロークで繰り返すことは出来るだけ避けるように指導している。研修当初はどうしてもショートストロークで施行せざるを得ないが、研修中にできるだけNo Tapping, ロングストロークで施行できるように指導している。

2014年から高リスクの早期膀胱癌に対する2nd-TUR + BCG膀胱内注入療法のデータを羽田先生、島田先生にまとめてもらい、2015年日泌総会、泌尿器内視鏡外科学会で報告してもらった。2011年以降の青山のデータ、およびそれ以前の本院のデータを併せた検討では2nd-TURの病理がT1、またはHigh gradeの症例、および2nd-TURまでの期間が8週間以上が有意な再発リスク因子であることを報告し論文化を目指している。

TUR-Pは、5α還元酵素阻害薬の出現により症例数が低下すると考えられていたが、発売から数年が経過し、5α還元酵素阻害薬投与後でも悪化する排尿障害は依然として存在し、定期的なTUR-Pの症例がある。また、5α還元酵素阻害薬の投与により出血量の減少が得られ、かつ持続吸引をすることで手術時間の短縮も得られている。加えてBipolar TURによりTUR症候群が消失し、安全な手術環境を整えられている。

レーザーでの切除もバイポーラTURと並んでゴールデンスタンダートとなっている。本院、および関連施設でのFolep治療の導入も課題のひとつである。

尿道狭窄の切開術に関しては、対象はRALP、LRP後、およびTUR-BT、TUR-P後の症例が一定数ある。レーザーで切開することで、エネルギーの深度を浅くし、かつ目的とする輪状繊維が堅い場合でも確実に切開できている。

今後はこれらの手術は再び本院で施行していくことになる。術者が分散することになるので、できるだけ手技の統一を図りながらしていくことが大事だと考える。

橋本恭伸

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