東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 設立趣意書会則
東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 The Society of Urological Disease at Tokyo Women's Medical University
■ 2015年度年報
ホーム1.はじめに2.医局構成・新入局員紹介3.東京女子医科大学腎センター泌尿器科および関連病院入院・外来・手術統計4.東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2016年度の目標5.関連および協力施設 活動報告・2016年度の目標6.業績目録7.あとがき

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大学院研究室 活動報告・2016年度の目標

2015年4月より大学院の管理、院生の指導に当たらせていただいています。就任早々、ラボの引越し・新設された総合研究棟ワーキンググループの幹事・研究費の枯渇といった難局に面し、まさに嵐の中の出航でしたが、新たに3名が加わり計6人と過去最多になった大学院生の多大な協力のもと、年度末になってようやくラボ運営を軌道に乗せることができたのではないかと感じています。研究の詳細については論文をご参照頂くとして(?)、本年度のラボ運営に関する総括を述べさせていただきたいと思います。

今年度4月に、泌尿器科研究室は医局から遠く離れた旧巴寮より、総合研究棟3階に移設となりました。占有面積は縮小となったものの、美しく改修された部屋に機能的に機材が配置され、総研の共有機器の利用も容易となるなど、研究導線は著しく改善されています。医局も近くなったのですが、未だ院生以外の先生が来室される機会が少ないのは残念なことです。今後は臨床に直結した研究を充実させ、全ての医局員が活発に研究活動に参加できるような体制を構築しなければならないと考えています。  新たな大学院生の指導体制として、事前に実験計画を練るリサーチミーティングを週2回設定しました。実験結果の報告にはメーリングリストやクラウドなどを活用して迅速にdiscussionが行えるよう環境整備し、最終的に週1回の大学院カンファレンスで情報の共有化を行うという流れを軌道に乗せることができました。皆の努力もあって研究の進捗は極めて順調であり、来年度にはみなさんを驚かせるような論文をいくつもpublishすることができると確信しています。

資金面については、これまで研究費の支えであった私学戦略的基盤形成支援事業が昨年度いっぱいで終了したため、年度当初はかなりの金縮を覚悟していました。しかしながら、今年度は文科省科研費2件、財団の競争的獲得資金2件を獲得、さらに新たに共同研究契約を締結したカン研究所より研究費の助成を得ることができ、安定した研究が可能となっています。もちろん、さらなる研究費の獲得に向けた努力が必要であることはいうまでもありません。

研究内容についても幅を広げています。上記のごとく、神戸先端医療産業特区に所在するカン研究所と、2つの新規薬剤に関する共同件研究契約を締結しています。詳細は特許の関係で記載はできませんが、移植患者にとって新しい福音となる、夢のある内容となっています。以前より行ってきた理化学研究所ワクチンデザイン研究チーム、REGiMMUNE社との共同研究についても新しいstageに突入し、臓器移植のtoleranceのみならず、膵島移植や自己免疫性疾患の治療への適応拡大の可能性が見えてきました。これらの成果が評価され、来年度からはスタンフォード大学骨髄移植部門のR. Negrin教授との共同研究を開始することも決まっています。この研究には文科省より国際共同研究促進基金として1000万円近い研究費が投じられることも決定しました。

このように、1年かけてようやく安定化してきたところですが、一方で研究活動にとって安定化というのは好ましいことばかりではありません。You do some stuff. Most fails. Some works. You do more of what works. If it works big, others quickly copy it. Then you do something else. The trick is the doing something else. 稀代のscientist、 Leonardo da Vinciの言葉を持って、来年度の抱負とさせていただきます。

平井敏仁

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