大久保病院に赴任して2年になりますが、最近は病院の職員と認識されているのか通勤の際に、呼び込みに声をかけられることが少なくなりました。しかし、朝の出勤時の雰囲気(一晩中飲み明かし、けだるそうな人達の)には、いまだに慣れませんけが…。夜になると病院の周りは大勢の人々とネオンでにぎやかです。たまに大学に来ると“なんて静かな病院!!”と思ってしまいます。まあ大久保病院は歌舞伎町に隣接していますから……。
昨年度の生体腎移植の手術件数は22件でした。11月には試験的に月に3件の腎移植を行い大きなトラブルもなく、今後の移植手術枠の増加へ向けての足掛かりとなりました。しかし10月末に、タクロリムス(TAC)の血中濃度測定機器のトラブルが生じ、外来患者さんの血液検体を毎日余丁町クリニックへ搬送して測定してもらう事態となりました。おまけに移植直後の患者さんが、当院のTAC濃度測定方法の場合にのみに、稀に生じるTAC濃度異常高値(偽高値なのですが)を来し、そのことが誘引となって急性拒絶反応を発症し、一時は血液透析が必要となりましたが、幸いに治療(ATG投与)により移植腎機能は改善し、入院は3カ月となりましたが、Crは1.6r/dl台まで低下し元気に退院されました。結局、これらの出来事がきっかけとなりTAC濃度測定機器を余丁町クリニックと同じ機器に買い換えて、ようやく解決しました。
一般泌尿器科部門では、外来患者は年々増加傾向にあり、現在は非常勤の細田先生(元都立広尾病院副院長)を加えた3人体制で行っています。手術は大学からの紹介もあり腎癌、腎盂尿管癌の手術が前年度より増加し、少しは泌尿器科らしくなってきました。また2月には病院機能評価があり泌尿器科病棟では戸田先生が頑張ってくれて無事に終えることができました。
今年度は、いろいろとありましたが、結果的には大きな問題もなく乗り切ることができ、手術等で御協力いただいた皆様には、とても感謝しております。
来年度は月に3件移植を行える月を増やす予定でいます。また都立病院グループの腎内科の会が立ち上げられそうなので、その場で腎移植の情報提供を積極的に行い移植数の増加を目指したいと考えています。4月からは剣木先生を迎え新たな体制となりますが、今後ともよろしくお願いします。 |