東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 設立趣意書会則
東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 The Society of Urological Disease at Tokyo Women's Medical University
■ 2012年度年報
ホーム1.はじめに2.医局構成・新入局員紹介3.東京女子医科大学腎センター泌尿器科および関連病院入院・外来・手術統計4.東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2013年度の目標5.関連および協力施設 活動報告・2013年度の目標6.業績目録7.あとがき

4. 東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2013年度の目標 >> 前立腺腫瘍センター

前立腺腫瘍センター 活動報告・2013年度の目標

前立腺腫瘍センター設立6年が経過しました。

昨年度の治療総数は前立腺全摘73例(ロボット支援手術60例、腹腔鏡下手術13例)、強度変調放射線療法77例(新鮮例76例、再発1例)、小線源永久挿入16例、術後救済照射4例、高線量率組織内照射1例と組織内照射の症例数が減少傾向でした。一方、一昨年の8月に導入したロボット支援手術は順調に症例数がのびており、昨年7月以降、前立腺全摘は全例ロボット支援手術に移行しています。近年の手術支援ロボット導入ラッシュに伴い全国的に手術療法への注目が集まっている中、本院でも週2件のロボット支援前立腺全摘枠に対し約2ヵ月待ちの状況です。今後、症例数増加に対応するため手術時間の更なる短縮は絶対条件であり、一日2例施行へ向けて調整を行っていきたいと考えています。また、昨年は関連施設である常磐病院、戸田中央総合病院にdaVinciが導入され、その立ち上げサポートに奔走しました。常磐病院では8月の開始以降、ほぼ毎週末、ロボット支援前立腺全摘が行われ、年内こうした状況が続きました。常磐病院の新村先生、若松先生をはじめ病院スタッフの方々のご苦労は大変なもので有ったと思います。現在は週1〜2例で順調に施行されています。また、同時期に戸田中央総合病院でもロボット支援手術が開始され、現在では週1例のペースで施行されています。現在の導入・維持費用および消耗品を勘案すると少なくとも月10例施行しないと採算がとれません。国内では未だ前立腺全摘しか保険適応が無く厳しい状況ではありますが可能な限りの症例数増加がどの導入施設でも至上命題となるかと思います。本院では既に腎部分切除にもロボット支援手術が導入されており、今後膀胱全摘への導入も検討しています。近々これらの術式の保険収載も噂されています。泌尿器科領域のmajor surgeryにおいてロボット支援手術の割合が増加していくことは想像に難くなく、なるべく多くの先生にロボット支援手術の研修を行って頂けるよう準備していきたいと考えています。

新しい展開として昨年は前立腺癌新規薬剤の臨床治験に参加が可能となり、非常に限られた症例では有りますが新規薬剤の恩恵に与ることでできました。また、新規画像検査の臨床治験もほぼ時を同じくして始まり、同時期に2種類の治験を経験しました。こうした試験に参加することができたのも少しずつでは有りますが当科でも前立腺癌診療に力をいれていることが認識され始めている証左であろうかと思います。引き続き存在感を増していけるよう努力して行きたいと考えています。

徐々に腫瘍領域に興味を示す先生方が増えつつありますが、前立腺領域に関しても後進の育成をすすめていきたいと感じています。前立腺癌(疑い)というだけで前立腺腫瘍外来に回ってきてしまう現状は既に立ち行かなくなっており、手術(ロボット)のみではなく前立腺癌診療に興味をもってもらえる様、様々なテーマで勉強会を企画していく予定です。

毎年目標に掲げている、当センターでの治療成績の論文化という目標は本年も未達に終わりました。引き続き最重要課題として取り組んでいきたいと思っています。

最後に、放射線腫瘍科と毎週火曜日開催している前立腺腫瘍カンファレンスでは年間250〜300件の検討が定例化し、関連施設からも毎週多くの症例を提示して頂いております。対応や治療選択にお困りの症例がありましたら是非、カンファレンスをご活用頂ければと思います。

本年度も引き続き宜しくお願い申し上げます。

飯塚 淳平

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