東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 設立趣意書会則
東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 The Society of Urological Disease at Tokyo Women's Medical University
■ 2012年度年報
ホーム1.はじめに2.医局構成・新入局員紹介3.東京女子医科大学腎センター泌尿器科および関連病院入院・外来・手術統計4.東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2013年度の目標5.関連および協力施設 活動報告・2013年度の目標6.業績目録7.あとがき

4. 東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2013年度の目標 >> 尿路結石、TUR-P、minimally invasive surgery部門

尿路結石、TUR-P、minimally invasive surgery部門 活動報告・2013年度の目標

1)尿路結石部門

尿路結石部門に関して、小児の結石に関しては小児泌尿器科部門より報告があるのでその部分は割愛する。
腎尿管結石に関して大学では主として外来班の先生によって、ESWLが施行されている。2012年は108件のESWLが外来で施行された。
腎尿管結石、膀胱結石に関しては主として青山病院でTULおよびf-TULを施行した。青山病院でのTULおよびf-TULに関しては青山病院の報告を参照していただきたい。
大学病院でのTULに関しては5例施行した。ロボット補助下前立腺全摘(RALP)で膀胱結石がある患者さんに関して2例のTULがRALPの前に施行された。中国での渡航移植後の移植尿管結石1例に関して、f-TULを施行した。そのほかに左腎と右腎に関して1例ずつf-TULを施行した。

2012年は結石部門にとって災難なことがあった。2月に感染性の左珊瑚状結石に対しf-TULを青山病院で施行した患者さんが、膿腎症となり敗血症そしてDICを併発し、翌日に本院に救急転送された。結局この患者さんは左腎摘により救命できましたが、右萎縮腎であったため血液透析導入になってしまいました。この患者さんは2013年に母親をドナーとした生体腎移植を予定している。3月に左腎尿管結石にてf-TUL施行した患者さんが、もともと狭心症があったので術後ICU入室しましたが、ICU入室後に急性心筋梗塞をきたし、経皮的心肺補助装置(PCPS)、大動脈内バルーンパンピング(IABP)を挿入したが亡くなられました。尿路結石は良性疾患であり、このような合併症が生じることはあってはならないことであり、この二つの出来事により結石治療の難しさも痛感した。

学会報告に関しては、清水が第26回泌尿器内視鏡学会において「腎移植後の移植腎尿管結石に対する結石破砕術の経験」を報告した。また青山病院の症例を、藤森が第100回日本泌尿器科学会総会において「東京女子医科大学附属青山病院におけるf-TULの治療成績の検討」を報告し、八木澤が第77回日本泌尿器科学会東部総会と第26回泌尿器内視鏡学会において「東京女子医科大学附属青山病院におけるf-TULの治療成績」を報告した。
2013年も尿路結石治療に関しては、引き続きESWLは大学で施行し、TULやf-TULは青山病院で施行していくと思われる。青山病院においてもPNLとf-TULを同時に施行するTAPも症例数を増やしていく予定である。

論文関係での2013年の展望では、八木澤が第26回泌尿器内視鏡学会での発表内容に関し、泌尿器内視鏡学会誌への投稿依頼が泌尿器内視鏡学会よりあり執筆中で2013年には論文として発表される。更に清水が2013年1月に第46回日本臨床腎移植学会で発表した「腎移植後の移植腎尿管結石に対する結石破砕術の経験」に関しても、今度新刊される日本臨床腎移植学会誌への投稿依頼が日本臨床腎移植学会よりきており執筆中であり、論文として発表される。2013年も学会発表およびに論文発表等を引き続きしていく予定である。

2)TUR-P、minimally invasive surgery部門

TUR-PはTUR-Btとともに青山病院で施行されることがほとんどであり、2012年は本院での施行件数は0件でした。
Minimally invasive surgeryに関しては、RALPや後腹膜鏡視下ドナー腎摘、腹腔鏡視下腎腫瘍切除・部分切除、腹腔鏡視下膀胱全摘等に関しては各部門報告を参照していただきたい。

それ以外の泌尿器内視鏡的な手技に関してであるが、尿道狭窄に対しての内尿道切開は4例に対して施行した。その中には当院に特徴的なものとして、RALP後の尿道吻合部狭窄に関しての内尿道切開が1例含まれ、また腎移植後の尿道狭窄への内尿道切開も1例含まれていた。更に腎移植後の原因不明の尿道狭窄に対して、ダイレーターを用いた尿道拡張も1例施行した。移植尿管の狭窄に関して、経尿道的移植尿管バルーン拡張も2例に対して施行した。

2013年もTUR-Pは重症症例のみの施行にとどまりそうである。尿道狭窄に関しては、コンスタントには症例はあるが、青山病院での施行が増えていくと思われる。腎移植患者の尿管狭窄等に関しては、2013年にはすでに合併症のため全身麻酔がかけられない、腎臓外科施行での腎移植患者さんに対し外来での経尿道的移植尿管バルーン拡張を施行しており、今後も増えていくかもしれない。

清水 朋一

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