東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 設立趣意書会則
東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 The Society of Urological Disease at Tokyo Women's Medical University
■ 2012年度年報
ホーム1.はじめに2.医局構成・新入局員紹介3.東京女子医科大学腎センター泌尿器科および関連病院入院・外来・手術統計4.東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2013年度の目標5.関連および協力施設 活動報告・2013年度の目標6.業績目録7.あとがき

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小児・形成泌尿器科 活動報告・2013年度の目標

南極や北極の氷が解け始めていると言われて何年になることだろう。夏の暑さと冬の寒さが極端になってきたように思うが東京の冬はもっと寒かったとの話もある。東京では富士山を望める日数が年間130日ぐらいあるそうだが以前はもっと少なかったらしい。公害をコントロールして空気が澄みかつ乾燥しているため霧が少なく富士山が望めるのだそうだ。医療もいろいろとあり、どうしても空気が澱みがちだが 東京から富士山を望むように遠く先まで見渡せるようにして仕事ができればと思う。

2012年は年間入院総数 84例 手術総数 80例(成人例27例含む)であった。腎盂尿管移行部狭窄による水腎症は12例(成人例11例)あり鏡視下での腎盂形成術を7例に行った。膀胱尿管逆流現象は25例(成人例10例)で内視鏡下デフラックス注入療法を13例(移植腎6例含む)、開腹での逆流根治術を12例で行った。尿路結石については14例に経尿道的内視鏡下での結石破砕術を試みて3例で尿管狭窄により結石まで到達できず破砕できずに撤退している。破砕できなかった3例中1例は開腹で摘出し2例は経過観察中である。停留精巣は5例 尿道狭窄は3例それぞれ根治術を行った。その他尿路造影や尿管ステント留置・抜去などの処置を全身麻酔下に行っている。大学病院の特徴として成人例が多いことであるが水腎症については顕著で2012年では開腹での腎盂形成術も含め小児例は1例しかなかった。

2012年10月6日に腎臓小児科服部先生を会長に小児脊髄疾患トータルケアセミナーが行われた。二分脊髄による神経障害に伴う水頭症や排泄障害に対しての対応を脳神経外科や小児外科 小児科(特に新生児科)泌尿器科 看護サイドからのアプローチを院外の特別講師と院内のそれぞれのスペシャリストに講演をお願いした。参加人数がすくなかったのが残念だったが横の連携を取ることもでき有意義なセミナーとなった。今後も院内の連携をとる必要のある疾患を取り上げ、セミナーを企画していければと考えている。

小児泌尿器科といった分野は、排泄や生殖器の領域を含むため小児の心理、精神的なサポートも大事になると考える。文献的に尿失禁・便秘のコントロールが必要な小児では心理的なスクリーニングが必要との報告が出てきている。これは尿失禁・便秘には生活環境や本人の心理的要因が大きく関与している例が多いことを示唆している。院内での心理サポートへの依頼と連携については今後の課題と考えている。

東病棟5階の小児外科病棟はいつも子供たちの声で溢れている。元気に退院できるように、家族が手術・入院治療について満足できるような病棟作りが望まれる。外来での病状説明もしかりである。検査の時は子供にとって怖い先生になっているとは思うが安全に必要な結果が出せる検査をするように手技の工夫と練達度は大事である。

1年間を振り返りいろいろな部門の方に感謝しながらより良い医療を提供できるように勉強し技術の向上に精進したいと思う。

家後 理枝

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