東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 設立趣意書会則
東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 The Society of Urological Disease at Tokyo Women's Medical University
■ 2019年度年報
ホーム1.はじめに2.医局構成・新入局員紹介3.東京女子医科大学腎センター泌尿器科および関連病院入院・外来・手術統計4.東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2020年度の目標5.関連および協力施設 活動報告・2020年度の目標6.業績目録7.あとがき

4. 東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2020年度の目標 >> 尿路結石部門

食事や生活様式の欧米化による生活習慣病関連により、尿路結石は現在でも増加傾向にある疾患である。そのため、本院でも外来では救急診療科からの尿路結石疝痛発作のフォローだけでなく、しばしば他科から結石性腎盂腎炎のコンサルトも受けることが多くなった印象がある。昨年までは脳性麻痺など麻酔リスクの高い小児における尿路結石症も加療していたが、現在は迫田先生の非常勤化に伴い症例数に乏しい状況である。詳細は小児泌尿器科部門の報告を参照されたい。

治療に関しては、ESWL、TUL、PNLを施行している。ESWLは日帰りとし、外来班に所属する医師・研修医を中心に施行されており、2019年は51例であった。1cm以下の下腎杯以外の腎結石、上部尿管結石に対しては良い適応であるため、対象となる症例を適切に選択し、2019年も破砕効率の向上をめざして施行していく。

2019年に施行した内視鏡的結石破砕術はTUL・PNLともに以前と比し低下傾向であった。本院でのロボット手術件数の増加に伴うTUL・TUR手術枠減少によるところが大きく、RAPNや腎移植の手術件数確保のため症例数を減らさざるを得ない状況である。少ない症例数だからこそ一つ一つを大切にし、若手研修医を中心に研鑚に励んでもらっている。

また、手術内容に関しても近年難しくなっている印象がある。関節リウマチなど長期ステロイド内服、血糖コントロール不良の糖尿病や結石性腎盂腎炎後など、術中urosepsisのリスクが高い患者の割合が増えている。幸いにも本院はHCU・ICUの強化(専従集中治療医の増加など)が図られており、周術期管理に関する当科負担は以前よりも軽減されている。しかし、術中urosepsisのリスクとして、過度の腎盂内圧上昇や2時間以上の手術時間延長など手技に起因するものもある。そのため、今後も術前に十分な検討をし、丁寧な手技を身に着けてもらえるよう指導していきたい。


2020年度の目標として、

  • 新入局者がローテートする東医療センター/八千代医療センターの協力もと、TULおよびf-TUL手技の獲得を指導していく。
  • 尿路結石治療後の患者に対し、再発予防目的の生活指導を外来にて徹底する。

羽田圭祐


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