東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 設立趣意書会則
東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 The Society of Urological Disease at Tokyo Women's Medical University
■ 2019年度年報
ホーム1.はじめに2.医局構成・新入局員紹介3.東京女子医科大学腎センター泌尿器科および関連病院入院・外来・手術統計4.東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2020年度の目標5.関連および協力施設 活動報告・2020年度の目標6.業績目録7.あとがき

4. 東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2020年度の目標 >> 腎移植・腎不全・腎血管外科部門

ハイボリュームセンターにおける次世代移植医の育成の役割

腎不全、腎移植チーム

東京女子医大泌尿器科では平成10年より臨床フェロー制度のもと移植医の育成を行ない、20年以上が経過した。フェロー制度の開始当初は女子医大医局員との扱いの違い、例えば移植手術を医局員と同年代、同数に行わせるか、などさまざまな問題が生じた。臨床フェローは平成30年までで総勢約60人を超え、出身病院は北は北海道より南は宮崎、沖縄に至るまで、医師の年齢も20代から50台まで多岐にわたる。

それぞれのフェローの専門は泌尿器科はもちろんのこと、腎臓内科、外科など様々である。プログラム開始当初は、フェローの研修期間は6か月の研修期間を最低条件とした。最初の2か月は病棟での移植患者の管理に専念していただき、2か月の最終2週頃より手術に参加させた。それぞれの手技を拝見し、レベルによって実際の生体腎移植の術者として手術を担当させた。技量はそれぞれの今までの経歴に左右されることは否めないが、少なくとも最低10例は完遂していただいた。献腎移植には基本的には臓器摘出から参加させ、移植手術もまた研修させた。生体腎ドナーの内視鏡摘出に関しては3~4名が研修しており、いずれも2年以上の研修を希望された方である。腎臓内科医は主に病棟の移植患者の術前後を研修していただき、独力で病棟で腎生検ができるように教育し、病理カンファレンスで移植腎病理の研鑽をつんでいただいた。

外科内科に限らず、研修期間中にできるだけ多くの学術論文を書くことを推奨し、中には学位論文とした医師もいる。それぞれの先生方が、地元に戻って地方における移植医療の中心的な役割を担われている。そしてここ数年、研修を行ったフェローの次世代の移植医が当科で研修を行うようになってきている。しかし最初の先輩方が研修を行ったころとは様相が一変している。移植手技こそドナー、レシピエントともにほとんど変わっていないが、病棟管理や免疫検査などは包括化されつつある。手術後の合併症もほとんどなくなり、平均在院日数はドナーで4日、レシピエントでは術後1週間である。それに伴い腎移植医療は流れ作業化しつつあり若干危機感を覚えている今日この頃である。次世代の若手移植医師が1人でも増えるべく、移植医療を魅力ある医療として尽力していかなければいけない。


2020年目標
新入医局員の確保→7人以上これにつきます

石田英樹


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