東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 設立趣意書会則
東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 The Society of Urological Disease at Tokyo Women's Medical University
■ 2018年度年報
ホーム1.はじめに2.医局構成・新入局員紹介3.東京女子医科大学腎センター泌尿器科および関連病院入院・外来・手術統計4.東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2019年度の目標5.関連および協力施設 活動報告・2019年度の目標6.業績目録7.あとがき

4. 東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2019年度の目標 >> 前立腺腫瘍センター

2018年春に外科系領域でロボット支援手術の保険適応拡大により各科でrobot手術件数が増加傾向です。一方、医療現場にも働き方改革が求められる中、秋口に手術枠の削減があり、少なくなった手術枠と他科のrobot使用予定との狭間で金曜日や土曜日といった手術枠を利用して苦心して手術を行っています。そのようななか、ガイドライン上、ロボット支援前立腺全摘に関しては専門医取得前の先生でも公にトレーニングが可能であり、若手の先生には是非積極的に機会を作って手術に参加してもらいたいと考えています。

ロボット支援前立腺全摘数は最終的に89例と目標症例数を下回りましたが、日頃より関連の各施設からは多くのご紹介をいただいており誠にありがとうございます。この場をお借りして御礼申し上げます。競合施設の多い都内で特色を打ち出すべく現在、術後尿禁制の改善を目的にretzius- sparing prostatectomy導入に向けて準備を進めています。これは経腹膜的アプローチを拡大して摘出と吻合を行うものでretzius腔の展開を行わないことで組織構造が保たれるため術後の尿禁制が圧倒的に優れていることが報告されています。まずは郭清の必要のない低中リスクを中心に開始していく予定です。

また、2018年4月に重粒子線治療が保険収載され、想定していた通り多くの患者さんが治療を希望して紹介することになりました。その中で、当院での放射線治療数はIMRT 37例、シード 5例、HDR 1例、術後救済照射8例でした。

学術面では前立腺癌関係の英語論文採択数が4本と目標は未達でしたが着実に増えつつあります。


(1)Radical Prostatectomy for Localized Prostate Cancer in Renal Transplant Recipients: 13 Cases Studied at a Single Center.
Iwamoto K, Iizuka J, Hashimoto Y, Kondo T, Takagi T, Hata K, Unagami K, Okumi M, Ishida H, Tanabe K.: Transplant Proc. 2018 Oct;50(8):2539-2544.

(2)Follow-up Survey of Donor Candidates for Living Related Kidney Transplantation With Prostate Cancer.
Hata K, Iizuka J, Hashimoto Y, Takagi T, Kondo T, Omoto K, Shimizu T, Okumi M, Inui M, Ishida H, Tanabe K.: Transplant Proc. 2018 Oct;50(8):2338-2341.

(3)The 5-year outcomes of moderately hypofractionated radiotherapy (66 Gy in 22 fractions, 3 fractions per week) for localized prostate cancer: a retrospective study.
Hashimoto Y, Motegi A, Akimoto T, Mitsuhashi N, Iizuka J, Tanabe K, Ishii Y, Kono S, Izumi S, Karasawa K.: Int J Clin Oncol. 2018 Feb;23(1):165-172.

(4)Evaluating radium-223 response in metastatic castration-resistant prostate cancer with imaging.
Iizuka J.: Asia Pac J Clin Oncol. 2018 Nov;14 Suppl 5:16-23.


2018年の米国泌尿器科学会には3演題が採択され発表してきました。今年も1演題ではありますが4年連続演題が採択されており、AUA採択が悲願であった時代は過去のものとなりつつあります。

さらに、都内近郊8施設の中堅・若手による交流の会から始まった多施設での未治療有転移前立腺癌の解析は実臨床における非常に貴重な知見が得られており順次学会等で発表しています。さらに人工知能技術を有するベンチャー企業との深層学習を用いたMRI画像解析研究はIRB承認後1年以上の準備期間を経てようやく契約締結の段となりデータ解析がいよいよ始まるところです。


今年度も以下の目標をもち精進したいと存じます。引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申しあげます。

2019年度活動目標

(1) 前立腺癌領域での英語論文作成
(2) ロボット支援前立腺全摘100例
(3) 後期研修医の術者育成
(4) 他施設との共同研究の推進

飯塚淳平


[ 前のページへ戻る ] [ ページトップへ戻る ]

Copyright (C) The Society of Urological Disease at TWMU All Rights Reserved.