東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 設立趣意書会則
東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 The Society of Urological Disease at Tokyo Women's Medical University
■ 2013年度年報
ホーム1.はじめに2.医局構成・新入局員紹介3.東京女子医科大学腎センター泌尿器科および関連病院入院・外来・手術統計4.東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2014年度の目標5.関連および協力施設 活動報告・2014年度の目標6.業績目録7.あとがき

4. 東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2014年度の目標 >> 女性排尿障害センター

女性排尿障害センター 活動報告・2014年度の目標

2013年1月〜12月の手術は間質性膀胱炎に対する水圧拡張8件、腹圧性尿失禁に対するTVTスリング手術7件、尿道憩室に対する憩室切除術1件と前年と比べても少ない件数となりました。家後先生は小児泌尿器科、小内は結石破砕や排尿障害と併行して診療を行っているため、どちらかというとウロダイや内科的な診療が中心になっている感はあります。

小内は引き続き原則月2回、東医療センター骨盤底再建診療部の巴先生の手術に、助手として入らせていただき研鑽をつみ、本院でも性器脱の手術ができる体制にしてゆきたいと思っています。

ただ、外来をやっているとやはり気になるのは間質性膀胱炎の患者さん達で、保険診療で認められた治療が非常に少なく、QOLを下げる疾患であるため、なんとかしなくてはといつも焦りに似た気持ちになります。そのために大学病院にいる利点を生かして、再生医療を使った間質性膀胱炎の治療ができないか、基礎実験を少しずつ進行中です。まだまだ始めたばかりですが、この分野を研究する人間、興味を持つ人間が1人でも増えることが将来の治療につながるのではないかと思っています。

毎週水曜日午前にやっているビデオウロダイナミクスの検査は、症例も徐々に積み重なってきています。角山先生がお手伝いをして下さるので所見を2人の目で確認でき、大変勉強になります。当院のウロダイナミクス検査の特色としては1)透視下で行うビデオウロダイナミクス検査であるため、情報量が非常に多いこと、2)移植患者さんの検査は他院と比べて多いこと、特に移植腎尿管への膀胱からの逆流をみることと、排尿障害をみることが同時にできること、3)前立腺肥大症の患者さんにプレッシャーフロー検査がうまくできると、患者さんに自信をもってTUR-Pをおすすめできることなどがあります。検査そのものはもちろん侵襲的ですが、終わってみると患者さんが「検査を受ける前に思ったほどいやな検査ではなかった」と感想をもらされることも多いです。原因不明の排尿障害で今後の治療を迷っているケースがありましたら、是非ご依頼をいただければと存じます。

自己導尿の患者さんへの指導もケアルームの看護師さんと協同して行っています。通常は残尿が300mlもあればカテーテル留置か自己導尿かとなりますが、膀胱そのものの容量が多く、上部尿路障害もなく、患者さん自身の困りもないような場合は、自己導尿をはじめないケースもあります。逆に膀胱のコンプライアンスが悪く、自排尿をすれば上部尿路障害が進行しそうなケースでは、残尿が少なめでも自己導尿をすすめるケースもあります。カテーテルもいろいろな種類が出ており、一見無理かなと思える方でもすんなり導尿できることもあります。目安としてはその患者さんが「耳かき」を自分でできるかどうかが、自己導尿ができるかどうかの基準になるようです。一旦自己導尿を始めても、やる必要がなくなればいつでもやめることができるのが自己導尿のよいところです。必要な症例には留置カテーテルであまりひっぱらずに、早めに導入できればよいなと思っています。自己導尿関連の困りごとがあれば、いつでもご相談ください。

小内友紀子

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