東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 設立趣意書会則
東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 The Society of Urological Disease at Tokyo Women's Medical University
■ 2007年度年報
ホーム1.はじめに2.医局構成・新入局員紹介3.東京女子医科大学腎センター泌尿器科および関連病院入院・外来・手術統計4.東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2008年度の目標5.関連および協力施設 活動報告・2008年度の目標6.業績目録7.あとがき

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小児泌尿器科部門 活動報告・2008年度の目標

毎年のことだが年報の原稿依頼があると1年が過ぎたなと思う。
小児部門は手術件数も安定しており(一時期は手術がなくなるかと危惧した時もあった)検査その他着実に成果が出せていると思う。
2007年は金光先生に病棟を診ていただいた分外来や術前検査に重点を置くことが出来た。腎臓小児科のスタッフにもたくさんの協力をいただいた。
15歳以下での外来受診は木曜日の泌尿器小児専門外来受診数が382人であり一般外来での受診も含めると年間745人(週平均14.3人)となった。
手術件数は、膀胱鏡や腎ロウ造設など検査や処置のみの症例と成人例も含め、総数74件であった。主な内訳は停留精巣12例、VUR12例、検査/処置12例、結石関係9例、UPJO8例であった。成人例は9例で内3例に鏡視下での手術が行われている。手術当日入院に対し病棟看護師や病棟医に手際よく処理対応していただいた。片側停留精巣など患児に対する負担も少ない手術の場合2007年は1日に4例手術をすることがあった。術後も大きなトラブルなく4例とも当日退院が可能であり入院期間の短期化に貢献できたかと思う。

2008年は4月に鈴木万里先生が神奈川こども医療センターより帰局となる。外来での小児関係の窓口拡大と同時に鈴木先生の今までの経験を生かし、尿道下裂を含め手術症例の多様化に対応できる体制となった。手術症例数に関しては病棟医のマンパワーやベット数から今以上に増やすことは難しいと思われるが当日入院+短期入院の特性を生かし病棟に負担かけずに症例数を増やすことが出来ればと思う。
大学本院での研修医〜病棟医への手術手技と術後管理の教育はまだまだ不十分といえる。特に術前の検査計画と判断は充分教育できている段階ではない。
病棟医の仕事の煩雑さを考えると核医学検査や小児排尿時膀胱尿道造影を経験することは困難であろう。これらの知識や考え方はカンファ時に説明するようにしている。少しでも知識として吸収してほしいと思う。
関連病院から小児泌尿器科疾患外来と手術に関する相談を受けることがある。
現在戸田中央病院には鈴木裕子先生が、4月からは東医療センターへ金光先生が移動となる。この2つの病院では小児科と連携した泌尿器科疾患の管理が可能となると考えている。八千代医療センターと川口済生会病院からは小児泌尿器科外来の依頼があり今後対応できるようにしていきたいと考えている。

小児泌尿器科学会では認定医制度が2007年より発足し女子医大関係では家後と鈴木先生がすでに認定され白柳先生が今回申請中である。学会発表では小児OAB、尿路結石、腎移植関連症例など臨床に即し学会でも注目される疾患についてまとめ発表し、ひとつひとつを着実に論文にしてくよう心がけている。小児尿路結石に関しては小児科も含めた検討が必要と切に感じている疾患である。また子供の排尿機能は成長という因子があるため成人とは異なった考え方や管理が必要であり外来では子供の生活背景も含め全体を診た上での管理が望まれる。

小児部門では今までは形成術が主たる疾患であったが夜尿症や尿失禁など膀胱機能障害例が増加傾向にあるため、女性排尿障害部門の小内先生とも協力しビデオウロダイ等検査技術の充実と膀胱機能に対する知識の蓄積、研修医への指導を2008年以降の目標としたい。
最後に検査前の点滴や尿道カテーテル挿入に笑顔で付き合ってくれる外来看護師や術後にぐずる子供とご家族をいろいろな面でサポートしてくれる病棟看護師、いやな顔せず泣く子と向き合っている病棟医に深く感謝する。
家後理枝

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