東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 設立趣意書会則
東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 The Society of Urological Disease at Tokyo Women's Medical University
■ 2007年度年報
ホーム1.はじめに2.医局構成・新入局員紹介3.東京女子医科大学腎センター泌尿器科および関連病院入院・外来・手術統計4.東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2008年度の目標5.関連および協力施設 活動報告・2008年度の目標6.業績目録7.あとがき

4. 東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2008年度の目標 >> 腎移植、腎不全、腎血管外科部門

腎移植、腎不全、腎血管外科部門 活動報告

2007年も5月の連休明けにアメリカ移植学会が行われ昨年も10題の演題が採択され 発表のためサンフランシスコへ行ってまいりました。不適合移植後のプロトコール生検の意義、術後に新生される抗HLA抗体と移植腎成績の関係、など多くの発表があり、中でも瀬戸口先生の生検に関する発表は本年のアメリカ移植学会誌にすでに掲載されました(2008年1月)。

移植グループにとって一番大きな出来事は秋口に開催された移植フォーラムでしょうか?
以下にプログラムを示しました。内外の約20余施設から延べ130名の移植外科医内科医にお集まりいただき、午後2時から9時まで活発な議論が行われました。移植学会などではあまり取り上げられないような、レシピエントやドナーの移植適応について内科医や精神科医にまでご意見を頂き大変有意義な時間を過ごすことができたと自負しております。
教授の肝入りで行われてきた後期研修医用の教育泌尿器科フォーラムは2008年で10回を迎えるようになり移植フォーラムもその一環として施行されましたがもちろん、2008年度も第2回の移植フォーラムの開催を予定しており、より充実した会にすべく情報収集に奔走しております。この場をお借りしてお礼を申し上げるとともに本年もよろしくお願いいたします。



臨床では、腎臓移植総数は昨年と同数の67例でした。
一昨年、昨年と書いてまいりましたが、2005年の1月より開始した抗CD20抗体リツキシマブは相変わらず脾臓摘出の代替免疫抑制として用いられ、移植後早期のすぐれた免疫抑制剤としてのわれわれの認識は不変です。2年経過した時点での印象では、ウイルスや細菌感染に対する感染治癒の遅延、各種ウイルス抗体産生機序に関する影響もほとんどないと考えています。西田先生がまとめたデータでは、サイトメガロウイルスの移植前未感染例においても、リツキシマブを使用しない症例となんら変わることなく抗体産生を認めております。
リツキシマブを使用しても抗体関連型の拒絶反応を早期に認めるような症例では脾臓の摘出を開始しました。このような抗体関連型拒絶反応に対しての脾臓摘出に関しては、ジョンホプキンス大学で最初に報告がありましたが、われわれも移植後早期とまでは言えませんが1年以内で同拒絶反応が遷延しているような場合最終的な手段として脾臓の摘出を考慮しています。2007年2月より現在に至るまで6例に施行しました。摘出前に抗体の種類が多岐にわたる場合には抗体が陰性化するまでには及びませんが、6例のうち4例はドナー特異的抗体が消失し移植腎生検でも明らかな移植腎の改善を認めています。同内容は,Transplant Intに受理され掲載予定です。
移植腎炎の再発も、移植腎が喪失してしまう重要な要因として知られています。移植フォーラムでも腎臓内科の内田先生にお話しいただきました。耳鼻科や腎臓内科、大久保病院の腎臓内科とのタイアップのもと、特にIgA腎症を原疾患とした移植希望患者を対象に扁桃腺の摘出を施行し、前向きなスタディーを2008年の4月より開始する予定でおります。

昨年度は倉敷中央病院の公平先生がフェローとして移植を勉強し、来年度もまた金沢大学の先生と愛媛大学(大洲病院)の先生がいらっしゃいます。大学院の瀬戸口先生はアメリカクリーブランドに2年の予定で留学します。
女子医大の移植班は常に日進月歩、変化のある組織として変革を続け情報を発信しながら日本のみならず世界一の移植チームとして来年度もがんばります!!
何か選挙演説のようになってしまいました。
石田英樹

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腎移植、腎不全、腎血管外科部門 2008年度の目標

(1) 新たな臨床研究の開始
(リツキシマブ投与下における急性拒絶反応抑制のメカニズムの解析‐リツキシマブ投与下におけるステロイドwithdraw)
(2) 新たな臨床研究の開始
(IgA腎症原疾患患者に対する術前の扁桃腺摘出が移植後の移植腎機能に与える影響についての前向き試験)
(3) 現在進行中の臨床試験の続行および解析(ベシケアによる移植後の過活動膀胱への効果について、30例余登録済、)
(4) 現在、進行中の論文
de novo Ab analysis (in submission) Dr Li
rituximab influences on CMV infection (in submission) Dr Nishida
suitable dose for rituximab to prevent acute rejection and virus infection(in submission) Dr Toki, etc, etc
(4) 血液型不適合移植における血液型抗原(糖鎖)のCD4拘束性の抗原提示機序に関する研究(科学研究費基盤C)T細胞にはペプチドのみならず糖鎖もがProcessingされPresentationされる。
石田英樹

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