東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 | 設立趣意書 | 会則 |
■ 2007年度年報 |
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泌尿器科第2研究室 活動報告 |
平成19年度の泌尿器科第2研究室では人事変更はなかった。3人の大学院生はそれぞれ個別のテーマを持ち、精力的に研究に取り組んでいる。当研究室の研究テーマである(1)大動物および小動物を用いた免疫学的寛容の導入、(2)虚血再環流障害に代表される臓器保存に関する研究、(3)免疫抑制剤の新規使用法の開発、(4)臨床腎移植のデータ解析について本研究室の活動状況を報告する。 (1)大動物および小動物を用いた免疫学的寛容の導入の試み 平成15年度より文部科学省私立大学助成学術フロンティア研究費の「ドナー特異的免疫寛容誘導の試み及びヒト臨床応用のためのプロトコール作成に関する研究」のテーマにて継続申請が認められ、本年度が最終年度となった。フロンティアの報告書の作成と平行して、今までの成果を学術論文として発表するため、データのとりまとめを行い、投稿した。しかしN数の問題もあり、rejectされてしまった。現在、追加実験の最中であり、何とか形に残し、決着にもって行きたいと考えている。フロンティア報告書の中で引用したように学術論文は多数あるが、カニクイザルでの論文を報告することが研究室、また教室としても重要と考えている。他の研究室もみても10年単位の日数が大動物の報告ではかかっているが、我々もそこに割って入りたいと思っている。 (2)虚血再環流障害に代表される臓器保存に関する研究 実験は一時休止中である。移植の研究室としては重要な研究テーマであり、興味をもって入ってきてくれる人を募集中である。 (3)免疫抑制剤の新規使用法の開発 この分野の研究もまた、残念ながら実質、中断中である。しかしながら、カニクイザルの実験系でCD11b+CD28-CD95+CD62L- effector memory CD8T細胞が増殖してくるため、このmemory T細胞に効果のある薬剤を探索している。同様に強力なリンパ球除去抗体であるCampath1Hを投与した場合でもmemory CD4T細胞が増殖してくることが報告されており、臨床レベルでもメモリー細胞をコントロールすることが重要になりつつある。そのような状況を考えると、IL-2などのcommon ・ chainを有するサイトカインレセプターからのシグナル伝達に関与している酵素JAK-3の拮抗薬がこれらメモリー細胞をコントロールするのに有用かもしれない。 (4)臨床腎移植成績のデータ解析 一昨年に引き続き平成19年度も米国移植学会(サンフランシスコ)において13演題の発表を行った。臨床の論文は土岐先生がClinical Transplantationに、瀬戸口がAmerican Journal of Transplantationに一報ずつacceptされた。今後、さらに投稿の準備を進めている。 最後に瀬戸口は本年度で大学院を卒業し、クリーブランドへ留学予定である。カニクイザルの論文は至上命題でもあり、再投稿するべく準備している。今後は飯田先生、土岐先生中心に泌尿器科第2研究室として基礎、臨床の両分野での研究成果を、発表して行く予定であります。今後とも皆々様の御指導の程、宜しくお願い申し上げます。 |
瀬戸口 誠 |
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泌尿器科第2研究室 2008年度の目標 |
1. | サル骨髄移植モデルにおける安定したキメリズムの導入及び、腎移植への応用。 |
2. | マウス心臓移植モデルを用いた、記憶型T細胞の恒常性増殖のメカニズムの解明。 |
3. | マウス心臓移植モデルを用いた、α-IL6R mAbの臓器移植における有用性の検討。 |
4. | 移植腎病理標本を用いた、基礎及び臨床的解析。 |
5. | 臨床基礎英論文の発表。 |
土岐大介 |
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