東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 講演会一覧設立趣意書会則
東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 The Society of Urological Disease at Tokyo Women's Medical University
■ 2024年度年報
ホーム1.はじめに2.医局構成・新入局員紹介3.東京女子医科大学腎センター泌尿器科および関連病院入院・外来・手術統計4.東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2025年度の目標5.関連および協力施設 活動報告・2025年度の目標6.業績目録7.あとがき

4. 東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2025年度の目標 >> 腎移植・腎不全・腎血管外科部門

腎移植・腎不全・腎血管外科部門

東京女子医大にはあけぼの会という移植者の会があります。あけぼの会は移植されたレシピエントやドナーのみならず、移植を前に不安に駆られて入会される患者様もおられます。そのあけぼの会が今年をもって創立25周年を迎えました。

東京女子医大の腎臓移植は1971年に第1例目の方が行われました。まだ移植医療が国から保険診療として認可されていなかった時代です。お兄様よりの移植を行い、ステロイドとアザチオプリン(現在のミコフェノール酸モフェチル-以下セルセプト®のような代謝拮抗薬)の内服だけで何と40年余も腎臓は生着しました。いままで女子医大で行ってきた腎臓移植は5500例あまりにのぼります。しかしながら、この1例目の方のような安定したケースはむしろ少なく、その後の道は決して平坦ではありませんでした。特に1990年の前半は移植暗黒の時代と言えます。新たに登場した免疫抑制剤の副作用ともいえる感染症が頻発し、私たちは多くの患者様を亡くしました。

そしてさまざまな試行錯誤の末、移植の暗黒時代は終焉を迎え文字通りあけぼのが見えたのは1990年後半のことです。まさに、あけぼの会が創立されたころ、現在移植患者に処方されているタクロリムス(グラセプター®、プログラフ®)とセルセプト®の両輪による安全かつ有効な免疫抑制療法が完成し、移植医療は目覚ましい発展を遂げることができました。

その後も移植医療は進化を続け、2000年前半にはドナーの手術が内視鏡によって可能になりました。2005年には今や3割以上の患者様が行われている血液型の異なる不適合移植が脾臓の摘出をせずリツキシマブ(リツキサン®)の使用によって可能となりました。

記憶に新しいところでは2019年12月に保険収載となったガンマグロブリンを使用した移植でしょうか?昔ではとても移植できなかったドナー抗体陽性(クロスマッチ陽性)者の移植も可能となり、いままで100例弱の患者さんが恩恵を被っています。

現在、東京女子医大の泌尿器科、移植管理科は毎年130例の腎臓移植を行っており、自他ともに認める日本一の腎臓移植施設であります。

このように東京女子医大の腎臓移植は25年間にわたり、まさにあけぼの会の成長とともに大きくなってきたと言っても過言ではありません。本当に多くの患者様には心から感謝申し上げます。これからも奢ることなく全幅の信頼をいただけるようスタッフ一同努力してまいる所存でございます。

石田英樹


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