東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 | 設立趣意書 | 会則 |
■ 2022年度年報 |
| ホーム | 1.はじめに | 2.医局構成・新入局員紹介 | 3.東京女子医科大学腎センター泌尿器科および関連病院入院・外来・手術統計 | 4.東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2023年度の目標 | 5.関連および協力施設 活動報告・2023年度の目標 | 6.業績目録 | 7.あとがき | |
4. 東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2023年度の目標 >> 尿路結石部門 |
尿路結石部門 本年の内視鏡的結石砕石術はTUL46例、TAP1例、膀胱結石破砕術9例であり昨年と同様の症例数だった。手術は主に毎週月曜日午前に行っている。ESWLは機材メンテナンスの影響を受けて症例数は減少した。 術前尿培養結果に基づいた抗菌薬選択、術中腎盂内圧の意識、手術時間の厳格な管理、尿管損傷を起こさないための愛護的なシースや尿管鏡の挿入と破砕など基本的なことをとにかく重視して取り組み、大きな合併症なく手術を行うことができた。 手術は全例で昨年度導入されたMoses technology搭載の高出力ホルミウムレーザー(Pulse 120H with Moses Technology)を使用した。技術の進化を体感できる”advanced laser”である。Moses technologyは1回のレーザー発射時に2つの気泡が連続して発生し、retropulsionが起こりにくく、キリのようにピンポイントに砕石できることが特徴である。例えば、「腎盂内結石の破砕中に結石がどんどん奥に行ってしまわない」、「嵌頓結石では割りたい部分をピンポイントに破砕し、尿管壁へのthermal injuryのリスクを下げる」といったところである。Moses modeに加え、パルス幅の選択(short, medium, long)やHigh power, High frequencyの選択ができ、結石の特徴に合ったレーザーセッティングができることもこのレーザーの強みである。これらの特徴を活かせた症例として、「20mm弱のR2結石に対し抽石をほとんどせず1回のTULでstone freeとし、”less basketing”を実現できた症例」や「U3に13mmのCT値1300HUの高度嵌頓結石とU1に11mm、10mmのともにCT値1100HUの結石を同時に有する症例に対しMoses modeとshort pulseを組み合わせて1回のTULでstone freeとし、術後も尿管狭窄なく経過している症例」などがある。この”advanced laser”により結石の特徴に見合った「割り方」を実現できるわけだが、レーザーの特性を十分に活かした上で理想的な破砕を実現していくためには今後も症例数を重ねていく必要がある。 今後も患者さんの負担軽減、腎機能を守るため安全かつ効率的な結石破砕を実現できることを目標に検討を重ねていきたい。 八木澤隆史 |
[ 前のページへ戻る ] [ ページトップへ戻る ] |