東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 設立趣意書会則
東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 The Society of Urological Disease at Tokyo Women's Medical University
■ 2016年度年報
ホーム1.はじめに2.医局構成・新入局員紹介3.東京女子医科大学腎センター泌尿器科および関連病院入院・外来・手術統計4.東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2017年度の目標5.関連および協力施設 活動報告・2017年度の目標6.業績目録7.あとがき

4. 東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2017年度の目標 >> 女性排尿障害センター

2007年に家後先生と二人で開始した、女性排尿障害センターの外来ですが、10年間活動してきました。インターネットで情報をしらべてくる患者さんや、他院、院内他科からのご紹介などの患者さんがぽつぽつと来て下さる状況です。ビデオウロダイもコンスタントに行ってきましたが、男性も含め排尿障害の診断と治療に、ある程度の役割は果たしていると思っております。ご縁があり、小内が2017年1月より福島県いわき市にあるときわ会常磐病院でお世話になることとなりました。いわき市の医師数は2016年10月現在で人口10万人あたり158.46人と全国平均の245.93人に比べ少ないようです。このため膀胱癌や結石、前立腺癌の手術例が多いのはもちろんのこと、病院へ来られていない潜在患者さんが多くおられることが予想されます。やや一般泌尿器科にシフトしつつも、女性患者さん始め排尿障害疾患を思い切り診療するべく活動してまいります。

それに伴い小内の女子医大本院での外来を週2回から月2回へ減らし、非常勤の勤務とさせていただいております。自己導尿指導をしている患者さん、術後の患者さんを中心にみています。ビデオウロダイに関しては濱崎和代先生に担当していただき、女性排尿障害センターの外来も火曜日の午後濱崎先生にお願いしています。

女性患者さんにとって、泌尿器科の受診はいまでもハードルが高く、受診がためらわれるようです。担当するのが女性医師か男性医師かに関わらず、女性を対象としていますと明記した泌尿器科外来は女性患者さんの受診しづらさを少しは減らすことができるでしょう。

男女問わず、排尿障害は普通の泌尿器科外来の患者さんで大多数を占めます。腫瘍や結石、腎不全をみるのも大事ですが、ごくありふれた尿失禁や排尿障害の診療を自信をもってできるようになるのにも勉強が必要です。薬剤の効果や相互作用、保険診療上やっていいこととだめなこと、薬剤以外の治療法など最新の知識を仕入れて、患者さんが来て良かった、みてもらってよかったと思えるような外来診療ができるように、後輩の先生方に勉強をしてもらいたいと思っています。いつの日か皆様とまたご一緒に働けますことを願い。

小内友紀子


【2017年度目標】

はじめに、女性排尿障害センターの『2017年度の目標』の原稿依頼をいただき、改めて自らの置かれた立場に恐縮すると同時に、その責任の重大さを痛感しています。これまで家後理枝先生、鈴木万理先生、小内友紀子先生らが主体として築かれた診療体制を継続できるのかどうか、また女性排尿機能障害の研修を始めたばかりの私に、女性排尿障害センターの一員として何ができるのだろうか、などじっくり考え抜いた末、三つの目標を立てました。

まず一つ目は、女性排尿障害センターとしての専門外来診療の継続です。これまで行ってきた、一般泌尿器科外来診療の延長として女性排尿機能の診療を行うのではなく、専門性の高い問診・診察・検査を行うことで、専門外来としての質を落とすことなく、診断、加療を行うという意味です。これまでの私の外来診療経験は、一般泌尿器科としての診療が主体でした。しかし、今年度からは女性排尿障害センターの初診外来診療も担うことになります。専門性の高い診療を希望され来院される患者さんの訴えを解決し、またご紹介下さった先生方のご要望に応えられるよう、まずは外来での診療を中心に頑張りたいと思います。

二つ目は、ビデオウロダイナミクス検査結果のデータベース化です。私は2014年度に赴任した神奈川県立こども医療センターでの小児泌尿器科研修において、ビデオウロダイナミクス検査を学ばせていただきました。その際、臨床研究におけるデータベースの重要性を痛感しました。当院の特色として、移植患者のビデオウロダイナミクス検査の結果など、貴重な検査結果が多く蓄積されています。しかし、記録として紙媒体で保存されてはいるものの、未だデータベース化はされていないのが現状です。まず、本年度の検査結果からデータベース化し、更にこれまでの結果も順次取り込んだうえで、何らかの形で学術発表できるようまとめたいと考えています。

最後の目標は、個人の目標とも重なりますが、女性泌尿器科医のキャリアを継続させることです。私事ではありますが、2016年9月に第一子を出産しました。産後4カ月を迎える前に職場復帰をさせていただきましたが、これは一重に田邉教授を始めとする、医局スタッフの先生方、病棟医の皆様、医局秘書の皆様のお力添えがあってこそ実現できたことと感謝しています。現在、大学院生を含め本院だけで4名の私よりも若い女性医師が所属しています。さらに、本年度新たに2名の女性医師の入局が決まっています。彼女らのモデルケースとなるべく、育児をしながらも女性泌尿器科医としてのキャリアが切れることの無いよう、限られた時間の中でも仕事の効率化を図り、一生懸命働きたいと考えています。

最後に、小内先生が福島労災病院へ移動となったことで、まず診療の質が損なわれることがないよう努力し、またその中で少しずつでも発展させていけるよう、一歩一歩 歩んでいきたいと思います。どうぞご指導ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。

濱崎和代


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