東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 設立趣意書会則
東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 The Society of Urological Disease at Tokyo Women's Medical University
■ 2016年度年報
ホーム1.はじめに2.医局構成・新入局員紹介3.東京女子医科大学腎センター泌尿器科および関連病院入院・外来・手術統計4.東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2017年度の目標5.関連および協力施設 活動報告・2017年度の目標6.業績目録7.あとがき

4. 東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2017年度の目標 >> 前立腺腫瘍センター

2016年度の目標到達度

(1) 前立腺癌関連の英語論文5編 未達(4本)
(2) 前立腺癌領域の後継者育成(継続) 継続中
(3) ロボット支援前立腺全摘100例 未達(91例)
(4) 後期研修医のロボット手術研修をすすめる 継続中


臨床面では本年度も関連施設(八千代医療センター、戸田中央総合病院、至誠会第二病院、済生会栗橋病院)における腹腔鏡下およびロボット支援前立腺全摘手術の技術支援を継続しつつ、本院での術者育成を行いました。本年度は年間100例達成を目標に積極的にとり組みましたが11月に失速してしまい未達に終わりました。腹腔鏡下前立腺全摘術を施行する関連施設が増加したことに加え、八千代医療センターのダビンチ導入が本院紹介症例減少の一因と考えています。もちろん喜ばしいことではありますが、本院内での診断数を増やす必要性を痛切に感じているところです。それでも病棟の先生方の尽力もあり最終的には91例と過去最高症例数で対前年度比30%増でした。また放射線治療に関しては新鮮例に対する強度変調放射線療法34例、小線源永久挿入3例、救済照射として3D-CRT 11例、3D-CRT併用高線量率組織内照射1例施行しました。

学術面では昨年度内にアクセプトされていた3論文がpublishされたことに加え、本年に入り1本acceptされており前立腺癌領域で継続的に英語論文が発表して行くことができる様に整備していきたいと考えています。また昨年、米国泌尿器科学会に初めて前立腺癌領域で2演題採択されたことで士気が高揚し、本年はより一層の成果を求めて羽田先生のほか若い先生達を交えて9演題を応募しました。残念ながら採択されたのはposter 1演題と補欠採択1演題であり、前立腺癌領域の臨床研究で国際学会において認められる事の難しさを痛感しました。しかしながらAUAにapplyする演題を多数用意出来るという事はここ数年の素地作りの結果が出てきていることの現れであると前向きに捉え、多くの人間で多くのテーマの解析を進める事により裾野を拡げていこうと考えています。次なる目標もすでに設定しており選択的かつ集中的に発表を重ねることで認知度を挙げていきたいと考えています。また、関連施設間での多施設共同研究も積極的に行いたいと考えており、その為の準備をはじめています。

新しい展望としては、現在MRI画像を活用したMRI fusion biopsyの導入準備を進めています。欧州泌尿器科ガイドラインではすでにその有用性を再生検において認めていましたが、米国泌尿器科学会においても昨年末に、前立腺癌疑い例のフォローアップに前立腺MRIおよびMRIによる標的生検を行うべしとの勧告が出されました。関連施設では済生会川口病院で既に導入されておりますが、本院においても事業計画にて申請中であり、導入されれば経会陰生検による診断精度をより向上出来るものと期待しています。さらには、pending中であったロボット支援膀胱全摘術の導入に向けて準備を再開しており、今後も競争の激しい都内ロボット導入施設間で特色を出せるよう検討していきたいと考えています。

最後に、教室の大きな柱である移植と腎癌が国内外で圧倒的な存在感を示すなかで、common diseaseである前立腺癌診療でも存在感を示して行けるようより一層精進したいと存じます。引き続きご指導ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます。


【2017年度目標】
今年度も昨年と同様以下の目標を持って望みたいと思います。

(1) 前立腺癌関連の英語論文5編
(2) 前立腺癌領域の後継者育成(継続)
(3) 関連施設との共同臨床研究
(4) 後期研修医のロボット手術研修をすすめる(術者2名以上育成)

飯塚淳平


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