川島病院は昭和51年1月に透析医療を開始したことにより大きな変貌を遂げ、将来発展への起点となり、昭和61年8月には県内の第1例目の腎移植を行い「蛋白尿から腎移植まで」を合言葉に職員一丸となり、各種の腎泌尿器疾患、循環器疾患、糖尿病にまで対応分野を拡大し地域医療に貢献しております。また鴨島(吉野川市)、鳴門(鳴門市)、脇町(美馬市)にもサテライトクリニックを開設し、2016年度には阿南(阿南市)にもサテライトクリニックを開院予定です。現在、透析医療において徳島県内の約40%の患者さんに我々の医療を提供しております。
トピックとしては2015年3月に新しいクリニックが加わりました。徳島市北佐古の川島病院に隣接する「川島透析クリニック」です。このクリニックは外来患者さんを対象とし、血液透析(HD)、血液透析濾過(HDF)専用のクリニックで透析ベッドは計160に及びます。「川島透析クリニック」の大きな特徴は東日本大震災のような未曾有の大震災に対しても透析医療を継続、安定して行う事が出来るように免震構造の施設となっております。地震などの災害に対しても非常に安全なクリニックになっており、万が一の災害時でも、徳島県内、さらには四国や近畿などの近隣地区からの臨時HD/HDFなどを一手に引き受ける事が出来るよう、万全の態勢を確保しており、現在は600名近い方が「川島透析クリニック」で透析をされております。
2014年度の手術件数についてもシャント関連は約430件、PTAも約330件と過去最高となりました。PDカテーテル挿入術に関しても40件あまりと腹膜透析も積極的にしており、徳島県は血液透析患者数に対する腹膜透析患者数の割合が全国第2位となっており、その半数以上を当院で管理しております。PD/HD併用療法やHHD(在宅血液透析)患者数も増加しており、こちらに関しても積極的に勧めております。腎移植に関しても昨年度は4件で、研修にきて頂いている先生方にオペレーターになって頂き、今年度は昨年を上回るよう腎移植をやっていきたいと考えております。
女子医大からの室宮先生は2年間の勤務が終了しましたが手術、透析管理を含めて非常によく勉強して頂き、かつ優秀であり重要な戦力でありました。続く、岡田先生も2年目に入り切磋琢磨しており室宮先生の後継として非常に頑張って頂いております。さらに4月から来て頂いた小山先生にも大きな期待を寄せているところです。当院で研修され手術も目いっぱいして頂き、さらに透析専門医を取得するにおいても十分すぎる症例がありますので若い先生方には是非、取得出来るよう学会発表も含めてサポートしております。これらの手術症例をこなすには、女子医大から研修に来て頂いている先生方の協力がないと、とても出来たものではありません。彼らには本当に感謝、感謝の一言であります。
川島病院では今後もすべての腎不全治療を最高の成績で提供できるよう日々、精進しております。これも田邉先生をはじめ東京女子医大泌尿器科同門の先生方のご理解とご協力があってこそのことであり、大変感謝いたしております。これからも引き続きご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い申し上げます。 |