東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 設立趣意書会則
東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 The Society of Urological Disease at Tokyo Women's Medical University
■ 2014年度年報
ホーム1.はじめに2.医局構成・新入局員紹介3.東京女子医科大学腎センター泌尿器科および関連病院入院・外来・手術統計4.東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2015年度の目標5.関連および協力施設 活動報告・2015年度の目標6.業績目録7.あとがき

4. 東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2015年度の目標 >> 女性排尿障害センター

女性排尿障害センター 活動報告及び2015年度の目標

2014年1月〜12月の手術は腹圧性尿失禁に対するTVTスリング手術14件、TOT手術1件、間質性膀胱炎に対する膀胱水圧拡張術12件、膀胱脱に対する膣前壁補強術1件でした。

今年度の目標として他科との連携、医局員の教育、中から外への3点を挙げます。他科との連携としては、まず外来棟のお隣で診療をしておられる、糖尿病内科です。SGLT-2阻害薬という新しい機序の、糖を尿中に捨てることで血糖値を下げる薬剤が相次いで発売されました。よい適応になるのはメタボリックシンドロームを合併した比較的若年の軽症糖尿病患者さんで、高齢者ややせた人には処方しにくく、まだ限られた患者さんにしか処方されていませんが、その薬剤特性から尿路性器感染症や頻尿等、泌尿器、婦人科系の副作用が出る可能性が高く、注目しています。糖尿病による下部尿路症状も本来は8割程度の患者さんにあるとされ、コラボレーションして行きたいと思っています。また、以前から患者さんをご紹介いただいている整形外科の他にも、婦人科で子宮頸癌の患者さん全例に術前から関わらせていただけることになりました。術後排尿障害が多い割に、泌尿器科へのコンサルトが少なく気になっていました。またまだ症例はいないのですが、消化器外科でロボット支援下で直腸癌の手術をする患者さん(いまのところ先進医療で自費ですが)のウロダイを術前後ですることとなりました。TOTOのフロースカイ(ウロフロメトリーがトイレに組み込まれた機種)が長年の希望がやっと通り買っていただけることになり、より患者さんの利便性は上がります。

医局員の教育ですが、できれば研修医の先生方にウロダイは一人当たり2〜3日(5〜9例)は経験してもらいたいと思っています。現在ウロダイを行っている研修病院は神奈川こども医療センターしかありません。ウロダイは基本的な排尿生理を学ぶためには必須の検査と考えています。泌尿器科医として診療する以上、下部尿路症状や排尿機能を避けて通ることはできません。実際に診療をする病院にはウロフロメトリーしかなくても、この恵まれた環境を生かして大学で研修を受けている間にビデオウロダイの見学をしてもらいたいです。また、外部の先生を御呼びしての講演会も企画したいです。

中から外へというのは、来る患者さんを待つよりもこちらから患者さん達のいる所へ出て行くということです。都内は女性泌尿器科をみる病院、クリニックなどがかなり多くなって来ており、大学病院は紹介状なしだと自己負担がかかるため、初診患者さんが非常に少なくなっています。現在、小内が済生会栗橋病院、戸田中央総合病院、熱海の所記念病院、常磐病院などで女性排尿障害外来を開設させていただいています。各所での診療をさらに活発化させたいです。

昨年はこの活動報告に間質性膀胱炎に対する基礎研究を通じて治療法を探っていきたいと書きましたが、基礎研究を1人ですすめることは時間的、金銭的にも無理があり、中断することになりました。理由はいろいろありますが、後ろ向きなのでここでは触れません。そのかわり、臨床に特化し、女性排尿障害センターや関連病院での外来、手術等の症例数を増やすこと、医局員の先生方への教育を行い、誰でもある程度のクオリティで診療ができるようにしていきたいです。希望があれば個々の先生にもマンツーマンで講義を行い、診療、出来る範囲での検査、治療法などを伝達させていただきます。その大学それぞれ、得意なところがあるはずで、女子医大の得意なところを伸ばしていこうと思います。

小内友紀子

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