東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 設立趣意書会則
東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 The Society of Urological Disease at Tokyo Women's Medical University
■ 2014年度年報
ホーム1.はじめに2.医局構成・新入局員紹介3.東京女子医科大学腎センター泌尿器科および関連病院入院・外来・手術統計4.東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2015年度の目標5.関連および協力施設 活動報告・2015年度の目標6.業績目録7.あとがき

4. 東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2015年度の目標 >> 尿路結石部門

尿路結石部門

尿路結石は今日でも増加傾向の疾患であり、泌尿器科の外来、および入院の重要な疾患である。また近年では、尿路結石の患者は、結石の既往の無い患者に比較し3割成人病に罹患するリスクが高いことがわかっており、成人病の高リスク群との認識が定着している。実際、腎実質内での石灰化の形成と、動脈硬化における血管の石灰化にはオステオポンチンをはじめとした同一の因子が関わっていることがわかってきている。

治療に関してはESWLは本院で外来班の医師、および研修医により外来加療が施行されている。TULが増加傾向の今日であるが、1cm以下の下腎杯以外の腎結石、上部尿管結石に対しては良い適応であり、2015年も症例数、破砕効率の向上をめざして施行していく。

内視鏡的結石破砕術は2011年より青山病院を主体に施行している。青山病院は手術を施行している外科系は泌尿器科のみであり、地下にある手術室は月曜から金曜なで施行可能である(実際は木曜日は外科医の不足により第3木曜日のみ新村先生に来て頂き施行している)。常勤の麻酔科も2013年より常駐しており、高リスク症例の術前麻酔科診察も開始された。青山病院では循環器、および呼吸器の医師も術前の患者診察に協力的であり、より安全面への配慮を増している。ただし青山病院の限界としてICUが無いため、麻酔科リスク3度以上の患者に関しては本院での麻酔をお願いしている。

TULに関しては2014年には80件に達している。橋本、および1年間勤務した羽田により手技は確立し、特に夏に2人で八戸平和病院への見学を実施し、High volume centerでの麻酔科から連携した手技の迅速さには感化された。

2014年も後期研修1年目の島田、高山、小針、池田、小山に2ヶ月づつ研修をしてもらい、積極的に術者をしてもらった。発表に関しても安定しており、日本泌尿器科学会総会、東部総会、泌尿器内視鏡外科学会でそれぞれ発表をしてもらった。TULの発表に関しては2013年1年間研修をしてもらった松本のデータが基になっており、2015年はこれの論文化を予定している。

さらに2014年は羽田との強力な参加によりTUL assisted PNL(TAP)の確立がなされた。現在では2cm以上の腎結石に対しては積極的に施行している。

体位は修正Valdivia体位を採用しているが、夏に倉敷成人病センターに1泊かけて研修に参加し、体位、TUL、腎盂穿刺の工夫など数段洗練された手技となったと確信している。実際夏以降、15例以上のTAPを施行し、手術成績も向上した。2015年はTAPの成績を積極的に報告し、青山病院単独での結石患者のリクルートに役立てたいと考えている。

また、小児の尿路結石症に対するTULも本院では積極的に施行しており、小児泌尿器科の報告を参照されたい。

橋本恭伸

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