東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 設立趣意書会則
東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 The Society of Urological Disease at Tokyo Women's Medical University
■ 2014年度年報
ホーム1.はじめに2.医局構成・新入局員紹介3.東京女子医科大学腎センター泌尿器科および関連病院入院・外来・手術統計4.東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2015年度の目標5.関連および協力施設 活動報告・2015年度の目標6.業績目録7.あとがき

4. 東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2015年度の目標 >> TUR-P、minimal invasive surgery部門

TUR-P、minimal invasive surgery部門

TUR-P、TUR-BTに関しては、2011年より青山病院を中心に施行している。結石の項目でも記載したが、青山病院では月曜から金曜まで手術室の利用が可能であり、常勤の麻酔科も勤務しており、主に本院からの紹介患者であるが、2週間以内で手術の施行が可能としている。

Minimal invasive surgery に関しては、ロボット補助下の前立腺摘除術、腎部分切除術、および腹腔鏡下ドナー腎摘除術も含まれるが、これらの項目については腫瘍班、および移植班の報告を参照されたい。

TUR-BTに関しては年間130件に達している。一時一塊として切除するTURBOも試みたが、後期研修1年目の研修医がローテートする施設としてはTURを身につけてもらいことが大事と考え現在はBipolar TURが主体である。

切除としては、腫瘍の存在部位を領域として捉え、複数の腫瘍が近接する部位は領域として全体を切除することを心がけている。また、Tappingがショートストロークで繰り返すことは出来るだけ避けるように指導している。後期研修1年目は始めはどうしてもショートストロークで施行せざるを得ないが、研修中にできるだけNo Tapping, ロングストロークで施行できるように指導している。

2014年は高リスクの早期膀胱癌に対する2nd-TUR + BCG膀胱内注入療法のデータを羽田にまとめてもらい、東部総会、泌尿器内視鏡外科学会、および2015年の春の総会で報告してもらった。2011年以降の青山のデータ、およびそれ以前の本院のデータを併せ62例の膀胱温存を目指した症例を検討、再発のリスクとして、2nd-TURの病理がT1、またはHigh gradeの症例、および2nd-TURまでの期間が8週間以上が有意な再発リスク因子であることを報告し、2015年は論文化を目指している。

実際、2011年以降、青山病院で施行して以降は、2ndTURまでの期間が有意に短縮し、再発率の改善がみられており、これば重要なことだと考えている。

TUR-Pは、5α還元酵素阻害薬の出現により症例数が低下すると考えられていたが、発売から数年が経過し、5α還元酵素阻害薬投与後でも悪化する排尿障害は依然として存在し、定期的なTUR-Pの症例がある。また、5α還元酵素阻害薬の投与により出血量の減少が得られ、かつ持続吸引をすることで手術時間の短縮も得られている。加えてBipolar TURによりTUR症候群が消失し、安全な手術環境を整えられている。

レーザーでの切除も標準的となっているが、青山病院のレーザーが低出力型なこと、および後期研修医1年目の研修施設となっており、TURの手技をマスターしてもらい目的でBipolar TURで施行している。

尿道狭窄の切開術に関しては、対象はRALP、LRP後、およびTUR-BT、TUR-P後の症例が一定数ある。レーザーで切開することで、エネルギーの深度を浅くし、かつ目的とする輪状繊維が堅い場合でも確実に切開できている。

青山病院でのminimal invasive surgery全般に言えることだが、紹介の9割は本院からの症例であり、今後は症例数、成績をより報告することで、青山病院独自でリクルートできる症例数を増やしていきたいと考えている。

橋本恭伸

[ 前のページへ戻る ] [ ページトップへ戻る ]

Copyright (C) The Society of Urological Disease at TWMU All Rights Reserved.