女性排尿障害センターも開設して4年が経ちました。年間の受診患者さんは200名強と大体一定していますが、診療をしていると患者さんのものすごいニーズを感じます。現在初診は主に家後理枝先生に担当していただき、手術症例を小内が担当しています。
現在は女性の尿失禁を初めとする排尿障害のみならず、男性の排尿障害、移植患者さんの排尿障害まで幅広く診療しております。週1回ですが、ビデオウロダイナミクススタディを行い、その結果をNBカンファで供覧することで、排尿機能への理解を深めてもらっております。平成22年中、成人のビデオウロダイは124件行いました。現在は小内が一人で検査を行っていますが、それこそ「ダイナミックな」検査ですので、検査そのものをみることで排尿機能への理解が深まり、診療へのフィードバックがかなりできると思っています。ぜひ若い先生方にも参加していただき、今後の自分の診療に生かしていってもらいたいと思います。
神経因性膀胱で基礎疾患があったりする場合、病気そのものを治すことはできないかもしれませんが、病気がありながらもなるべく楽に生活が送れるような手助けはできると思います。ケアルームの看護師さんたちと連携をしながら、診療を行っています。特に自己導尿患者さんについては、カテーテル等の種類が豊富でありその方の生活スタイルに合わせた指導が可能であると自負しております。他科入院中の患者さんで予期せぬ尿閉になったようなケースが、一時的に自己導尿をすることで退院が早まったりすることでQOL をよくすることができます。鈴木万里先生には二分脊椎、潜在性二分脊椎の成人患者さんの診療をかゆいところに手が届くようにしていただいています。
昨年は整形外科の先生方と合同のカンファレンスを行い、東邦大学医療センター佐倉病院、神経内科の榊原隆次先生に「中枢疾患と排尿障害」というテーマでご講演いただきました。お互いに顔が見える付き合いになり、患者さんのことなどを相談しやすくなるのではないかと思っております。整形外科の先生方とはもちろんのこと、今後も神経内科、脳神経外科、婦人科など他科の先生方との相互理解を深めていきたいと思います。個人的には子宮頸癌術後の神経因性膀胱による排尿障害が、非常にバラエティにとんだ病態をとっており、患者さんの加齢とともに変化しているため注目している病態です。
女性の過活動膀胱とソリフェナシンの臨床研究についてはいったん集計しており、今後発表していきます。
間質性膀胱炎については基礎研究がほそぼそとですが続いています。少しずつ結果も出てきていますので、形にしていきます。
排尿障害班を今年もよろしくお願いいたします。 |