東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 | 設立趣意書 | 会則 |
■ 2010年度年報 |
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小児・形成泌尿器科 活動報告・2011年度の目標 |
世紀が変わってすでに10年経った。科学の進歩は昔の子どもの夢に追いついているのであろうか。惑星探査船“ハヤブサ”の地球帰還は希望をもたらしたが宇宙への道はまだまだ遠いなという印象であった。 小児・形成泌尿器科部門は2010年4月に鈴木裕子先生を神奈川県立こども病院の山崎先生の下へ、10月には金光泉先生を国立成育医療センターへと送り出し2012年4月には2人そろって研鑽を積んで大学へ戻ってきていただく予定になっている。それぞれの部署で頑張っているとの報告を受けている。 年間の手術例数は腎盂尿管移行部狭窄例が14例(小児6例、成人8例)と多く鈴木先生に頑張っていただいて成人例2例で鏡視下腎盂形成術を行った。その他では膀胱尿管逆流症17例、停留精巣10例と小児泌尿器科としてはオーソドックスな疾患を中心に手術を行っているのだが小児病院との違いは停留精巣でも成人例が入っていることであろう。また小児の尿路結石破砕術も年間5〜6例は行っている。 2010年は6月に小児外科系病棟が東病棟5階に開設された。新しい病棟は明るくきれいで設備も小児用に配置されプレイルームも完備している。看護スタッフも小児に特化したスタッフを養成しながら、小児の術後管理が統一されとてもよい状況が作られている。 腎小児科と小児外科が常時病棟に係っており子どもの状態によってはすぐ相談が可能である。泌尿器科はこの連携に助けられて術後の急性腎不全の子供の管理をすることができた。術直後より無尿となった子供の管理を腎小児科に相談し血液透析用のカテは早期に小児外科の手によって挿入され時期を逸することなく透析開始となった。最終的には術後約10日で尿が出始め、係ったDr全員で安堵したのであるが東5階のカンファレンスルームで「すみません!お願いします!」と言えばさっと物事が進められていくフットワークの軽さは小児病棟として統一され、それぞれの科のDrの顔が見えている利点であると考える。 外来では排尿障害に対する膀胱機能検査の充実が小内先生を中心に行われ、潜在性の神経因性膀胱の診断に一役買っている。火曜日のカンファでの症例提示は興味深いものがある。 下部尿路機能はきちんと管理して行かなければ、尿失禁による日常生活の不便さや最終的には腎機能障害を引き起こすことを医療者側が理解して長期の経過観察が必要であることを説明できなければならない。そのためには最新知識と生理学も含めた基礎知識を融合させるように常に研鑽しなければと思う。 毎年、逆流症や水腎症の術後の子ども達で「今年で最後ね!」と話しをする子がいる。成人になり外来受診もいつのまにか1人で来るようになっている。女の子では出産までお付き合いした子供もいる。小児疾患を扱っている喜びであり同時に自分が年取ったことを実感するときでもある。あと1年ほど頑張れば若手が大学に戻ってくるので老体に鞭打ってもう少し仕事をするかなと思っている。周囲で支えてくれているスタッフに感謝し 2011年もどうぞよろしくお願いしますと言いたい。 |
家後 理枝 |
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