東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 | 設立趣意書 | 会則 |
■ 2010年度年報 |
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腎移植班 活動報告・2011年度の目標 |
平成22年の生体腎移植の総数は小児例9例を含み昨年78例でありました。過去最高数であります。さらに、平成23年度よりは青山病院での手術の開始に伴い、第1週の金曜日は今まで腫瘍の枠でありましたが、今後移植をする予定にしており、さらに数的な増加が期待できます。現在、生体腎移植希望の患者の手術までの待機時間はおおむね1年くらいに短縮されてきております。待機時間の短縮の要因としては、もちろん戸田中央病院や大久保病院での移植数の増加が挙げられます。なんとか移植希望の患者が外来受診をした半年後くらいには移植の手術ができるようになれば理想的ではないかと考えています。 病棟で昨年最も印象的であった患者は、肝臓移植後に腎臓移植を行った男性患者でしょうか?われわれが術前に考えていた以上に心臓の予備能がなかったため、患者は術後の輸液の過負荷から心不全をきたし一時は尿量ゼロの状態から血液透析の管理となりました。その後も術部の出血、さらに急性拒絶反応などすべてといってもよいくらいの外科的、内科的周術期合併症に見舞われました。沢田班長のもと、必死の術後管理にて現在この患者は事なきを得て元気に外来通院をしております。 学問的なところでは、2005年1月来、免疫学的にリスクのある患者に使用してきたリツキシマブ投与後の中長期的な投与効果がはっきりしてきました。この薬剤に関しては毎年この年報に書かせてもらっているように思います。移植後早期の急性拒絶反応を押さえるのみならず、抗体の産生を長い間にわたって抑制することによっていままで抑制することが不可能とされてきた慢性拒絶反応の抑制にも同薬は期待できるのではないかと考えています。 下の病理写真をごらんください(写真)。 サルの実験は休日を削って日夜続けられています。免疫トレランスの達成はわれわれ移植医にとって永遠かつ最大、最後のテーマであることに違いありません。大動物を用いた実験によって1日も早く免疫抑制剤を使用しない臓器の生着が実現するよう日夜研鑽しています。 平成23年度より移植班には大学院生として沢田先生が新たにメンバーに加わることになりました。世界的に新たな情報発信のできる移植施設として更に頑張ります。 |
石田 英樹 |
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