東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 設立趣意書会則
東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 The Society of Urological Disease at Tokyo Women's Medical University
■ 2006年度年報
ホーム1.はじめに2.医局構成・新入局員紹介3.東京女子医科大学腎センターおよび関連病院入院・外来・手術統計4.東京女子医科大学泌尿器科学教室活動報告・2007年度目標5.関連および協力施設と活動報告・2007年度目標6.業績目録7.あとがき

4. 東京女子医科大学泌尿器科学教室活動報告・2007年度目標 >> 尿路結石minimally invasive surgery部門

尿路結石minimally invasive surgery部門活動報告

はじめに
昨年度まで2年間、結石破砕部隊における特殊技能担当係として、16年度は南里先生とコンビを結成(しかし南里先生の離脱により1年でコンビ解消)。17年度は橋本先生とのニューコンビを結成、またあるいはソロでの活動で、あるときは尿管鏡、腎盂鏡を担いで走りまくり、またあるときはすぐヘソを曲げてストライキを起こすESWLをなだめすかすことを繰り返していたせいか、大学院に入学して免疫生物学に漬かり始めた18年度も何故か執筆依頼の通知が舞い込んできてしまいました。現時点で現場に携わってない私が色々と書き綴るのも恐縮ですが、超多忙な橋本、近藤両先生のご許可も得ましたので、今年だけはご容赦ください。

Urolithiasis、Minimally Invasive Surgery部門
Urolithiasis、Minimally Invasive Surgery部門は活動的には昨年度と同様、人手不足のため活動らしい活動はほとんど出来ない状態でした。ただ臨床活動的にはTUL,PNLに関しては術式の統一がある程度皆さんに浸透したこともあり、術中、術後の大きなトラブルはなく、安定した成績を残すことが出来ました。術式の統一とともに、昨年度くらいから複数のDrが内視鏡的破砕術を積極的に担当するようになり、結果内視鏡の技術力は相当底上げされたのではないかと思います。やはりUrologistのみに許される特殊技能価値はなんといってもEndourological Surgeryの力量がまさにそれにあたるので、これはとても喜ばしいことです。結石の内視鏡治療は、特に上部尿路結石の治療については熟練度と治療後の効果の予測力が要求されますが、治療効果的には泌尿器科疾患の中でも非常にクリアカットであり、その分達成感の高い領域であると感じます。また、Day Surgeryも十分可能な分野でもあるので、今後の発展性に非常に期待のおける分野でもあります。
ESWLについては大学病院とはいえ依然としてその需要は多いのですが、いかんせん慢性的なマンパワーの不足により、件数の飛躍的増加は果たせませんでした。ただ、97年から使用している、気分屋の「Dornier U/50」がいよいよ解雇され、一新されるとのことですので、治療時間枠の増加は望めないまでも、限られた治療時間枠の半分近くをU/50のご機嫌取りに費やし、患者様には吹き出る汗をアピールしながらの必死の謝罪…と言う構図がやっと改新されるかと思うと、こちらも楽しみです。
臨床、基礎研究に関しては八木澤、小林千佳先生の離任以来、まったくの休止、いや停止状態ですが、本年度からは清水先生が結石部門を御担当されるとのことですので、こちらも非常に楽しみです。
毎年の日本尿路結石症学会の年報を見る限りでは、臨床との距離が近い基礎研究についてはL-hydroxyproline(動物性たんぱく質に多く含まれるコラーゲンを構成するアミノ酸の一つ)投与による動物(ブタ、ラット)での結石形成モデルを用いた、衝撃波の腎集合管、腎尿管上皮細胞に及ぼす障害の検討(これが結果的に蓚酸カルシウム結晶の細胞への接着を促進する)などの衝撃波後の高い結石再発率に関する検討などが毎年色々な施設から報告されていますが、その他の基礎研究についてはどちらかというと生化学領域に偏従しがちな内容が多く、質・量ともに少ない傾向にあります。
これに対して臨床研究に関しては、ベットサイド泌尿器科的なこれまた生化学、または疫学的な報告がいまだに大部分をしめており、これもあまり魅力的とは言いがたいです。ただ、昨今のメタボリックシンドロームという言葉の流行のせいか、これと結石の関係を検討したり、はたまたESWLの発射頻度と砕石効果の検討をしたり(驚いたことに発射頻度が遅いほうが砕石効果は高い!)と、臨床研究に限ればちょっと魅力的な内容の研究も見受けられます。メタボリックシンドロームといえば、関連性があるのかどうか、当科に特徴的なものとしては年に数件、乳幼児の蓚酸カルシウム結石に対する外科治療を施行するケースがあります。乳幼児の結石自体が非常にレアなケースであるため、このような当科ならではのレアなケースの検討の蓄積が、今後当科のUrolithiasis部門が世に発信すべき価値のあるものになってくるのではないかと考えます。
以上、Non-Touchな立場ながら、思いつくままに希望的な内容ばかり記載してしまいましたが、ベットサイドに復帰した暁には、再びUrolithiasis部門実働部隊の一員として、皆様のお役に立てるよう再び走り回る所存でいます。
元:Urolithiasis、Minimally Invasive Surgery部門
現:腎尿路再生置換治療学講座 飯田 祥一

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尿路結石minimally invasive surgery部門2007年度目標

2007年度より、尿路結石部門の責任者を白川先生とともにまかされました清水です。
2006年度は飯田祥一先生をはじめ諸先生方の力を借りて結石治療にあったて頂きました。
また今年度も同じように力を借りますのでよろしくお願いいたします。特に外来でのESWLでは小林博人先生、PNL・TULでは青山病院の前田佳子先生などの御協力もお願いいたします。
今年度の目標を以下に列挙します。
(1) 新しいESWLの破砕装置の購入:現在のDoLi U/50 machineは老朽化が進んでおり、次世代の破砕装置の導入が計画されています。今年度は機能・価格等を考慮して装置の選定をして購入までこぎつけたいと思います。
(2) PNLとTULの手技の確認:PNLとTULの適応については基本的には結石ガイドラインに沿って考えますが、手技については、さまざまな人の意見を聞き、当科の手技として統一し、誰もが同じ様に施行できるようにしたいと思います。
(3) ホルミウムヤグレーザーの購入:現在TULはリソクラストを使用して試行し、時にホルミウムヤグレーザーを業者より借りて試行している状態です。今年度中にはできればホルミウムヤグレーザーの購入も視野に入れたいと思っています。
(4) 臨床研究:今年度はまず今までのESWL・PNL・TULの症例のまとめを中心としたレトロスペクティブな臨床研究をしていきたいと思います。今後は基礎的研究も考慮していきたいと思います。
以上です。非常に不慣れですが何卒よろしくお願いいたします。
清水 朋一

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